「手作り工房 kawara textile(カワラテキスタイル)」を構え、活動を続ける伊賀市市部の織物作家、中野真里さん(26)は、自ら染めた糸で創作の可能性を広げ、人との縁も紡いでいる。【作品を披露する中野さん】

 絵を描くのが好きだった少女時代。名張市内の絵画教室に通い、京都嵯峨芸術大学(現・嵯峨美術大学)に進んだが、1年生の時に体験した織物に魅せられ、染色の道に転向、染料や素材などを基礎から学んだ。大学院を卒業後、1年間は京都で活動を続けたが、創作の環境が整っている地元に拠点を移した。

 「自分でやること」にこだわり、糸選びから染色、織り上げまでを一人でこなす。伊賀地域や近隣で採取した泥を使って「泥染め」をすることもある。「自由気ままに織っています」と語る通り、異素材を組み合わせるなど柔軟な発想で誕生した生地から作られたストールやクッションカバーなどは、多くの人を魅了している。

 5月25日から27日までは、伊賀市上野忍町の武家屋敷赤井家住宅で開かれる作品展「?糸織布?旅経ち」(伊賀市文化都市協会主催)に出品する。

 中野さんは「手織りをもっと身近に感じてほしい。『世界中に一つだけ』にこだわった、夏らしい作品たちを見に来てもらえたら」と来場を呼び掛けた。

 時間は午前10時から午後7時まで。入場無料。中野さんは3日間在廊予定で、販売もある。

 問い合わせは同協会(0595・22・0511)まで。

2018年5月12日付723号1面から

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