身近な地域を記者が実際に歩いて巡る「てくてく歩記」。年の瀬も近づき、朝晩の冷え込みも厳しくなってきましたが、昼間はお出掛け日和になることもしばしばあります。今回は、名張市の薦原地区と川西梅が丘地区の名張川沿いを一周する約8キロのコースです。(取材・山岡博輝)【1枚目の写真 薦原小学校付近から薦生橋、薦生の集落を望む】

 緑が丘方面から来る道に合流すると緩やかな下りになり、カーテンのように実った渋柿が道端に。右手奥に八幡工業団地の工場群が見え、山道の入口には「ギフチョウ採集禁止」の看板がありました。 取材日は12月1日。限りなく曇りに近い空模様ですが、風は無く、ところどころ晴れ間も見えます。午前10時、「大屋戸天神」の名でも知られる杉谷神社を出発し、まずは北の松原町、夏秋方面へ向かいます。

【松原町付近の民家の軒先】

 集落は山裾に続き、車の下からスマートな体型のイタチが顔をのぞかせました。斜面にはオレンジに染まったカラスウリ、道沿いの軒先にはハボタンやツバキなどが並び、その彩りが冬の到来を感じさせます。
 
 夏秋橋を渡ってすぐ、緑が丘入口の信号から右手に下り、橋をくぐって川の右岸の小道へ。舗装されているものの車が通るには狭く、落ち葉に埋め尽くされています。木々の間からは淵になった川の水面が見え、地蔵尊を過ぎて坂を上ると、広々とした川面や梅が丘の北端などが望めました。
 
 
 霊園の手前を折れて八幡へ。干し柿が並んだ家々の間を進んで善福寺に立ち寄り小休憩。集落を抜け、薦原小学校の脇を下って県道へ。古めかしい薦生橋を渡ると薦生の集落に入ります。意外に交通量が多く、少し広い場所で何度か立ち止まりながら歩きます。
 
 道沿いには中山神社と、その裏手に明王院があります。山添村方面への三差路脇では、ユズやキンカン、コウテイダリアなどの鮮やかな色が目に入ってきました。静かな川面を眺めながら、何度か車をかわしつつ細い県道を進み、川沿いの坂道を上っていきます。

【下三谷、短野付近の風景】

歩いて季節を実感

 梅が丘から川を隔てて西側には下三谷、短野の2集落があります。川と田んぼを挟み、進行方向右側に古くからの集落、左側に住宅団地という対照的な風景が広がっています。短野には仰ぎ見るような山手まで民家があり、その家々を背に梅が丘へ向かいました。
【梅が丘から市街地方面を望む】
 
 梅が丘の住宅地を抜ければ、あとは下りるだけ。鴻之台や春日丘、つつじが丘などを眺めながらゆっくり坂を下っていくと、出発地点の鳥居が見えてきました。午後0時20分に杉谷神社へ到着、歩数計は約1万3000歩でした。
 
 秋から冬は風が冷たくなりますが、歩きながら色とりどりの花や木の実、野菜などが目に入り、季節の訪れを実感することができると思います。皆さんも身の回りで冬の使者を探してみてください。
 
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