今回から、新しいテーマで再スタートします。伊賀地域とその周辺を走る路線バスやコミュニティバスに乗り、別の路線の起終点や停留所を目指して歩くシリーズです。普段の車や電車とはまた異なる車窓を楽しみ、身近な地域を再発見してみませんか。初回は、伊賀市の諏訪から馬場までの約5キロです。(取材・山岡博輝)【1枚目の写真 波敷野から川合へ下る途中の棚田では田植えの準備中】

 再開発が進む伊賀鉄道上野市駅前に、三重交通のバスターミナルがあります。個人的には、バスの行き先として長年聞き慣れた「上野産業会館」から「上野市駅」に変わり、周囲の風景も少なからず変わったため、知らない町に来たような感覚もありました。

【上野市駅バス停】

 5月13日、ハイトピア伊賀の1階で切符を購入し、バスターミナル2番乗り場で午後12時45分発の諏訪下出行きを待ちます。同時刻発の西山行きに隠れるように到着した一回り小さいバスに、年配の女性2人とともに乗り込みました。

 踏切を渡り、上野公園の脇を抜けて城北へ。バスの正面と左右は窓が大きく、明るい車内から車窓が楽しめます。伊賀上野橋を渡ってJR伊賀上野駅へ。新たな乗客はおらず、再び戻って三田の集落内へ入っていきました。

 三田小学校前で1人が下車。三田神社前を過ぎると集落が途切れ、バスは三田坂へとゆっくり進んでいきます。ほぼ180度戻るようなカーブの先に、今来た方角が少しだけ開けて見えました。三田坂バイパスの工事現場のすぐ上を通り、音羽口から諏訪の集落へ入っていきます。
 
 出発から約30分、諏訪の東端にある諏訪下出バス停に到着。見慣れぬ乗客に気付いた運転士の男性と会話を交わし、「今から阿山まで歩きます」と伝えて出発しました。
 
【諏訪から音羽への道中、休耕田一面にレンゲが咲く】
 
 平坦な道を歩くこと約15分、佐々神社の入り口を過ぎ、音羽の集落に入ります。かなり気温が上がっているため、なるべく日陰を選んで歩こうとしましたが、なかなか思ったようにはいきません。音羽城跡入口を過ぎ、左に山、右に水田を見ながら進みます。
 
【田植えが済んだ直後の音羽の水田】
 
 払子川にかかる鯨橋を渡り、10分ほどで集落を抜けると、左手には階段状になった水田が数多く見えてきました。遠目に見た限りでは休耕田も多いようです。午後2時すぎには波敷野の集落に差し掛かり、来迎寺や常夜灯を左手に見ながら坂を下ります。片付け忘れたのか、民家の庭先に小さなこいのぼりがまだ出ていました。
 
【山あいにある波敷野の集落を西から東へ】
 

 川合に入り、右手の阿山ハイツ方面に向かう道へ。学校帰りの小学生たちが「ただいま!」と元気良くあいさつをして走っていきました。「願之山踊り」や「裸々押し」などで知られる陽夫多神社の境内を通り、ちょうど午後3時に阿山支所前に着きました。歩数は約9400歩でした。

 待合所のベンチで少し休んでいると、折り返し同3時25分発の上野市駅行きバスが到着。始発時点での乗客は自分だけでしたが、途中から3、4人が乗ってきました。河合川沿いを南下し、JR佐那具駅前で柘植川を渡ります。印代で左に折れ、大型スーパーを経由して上野市駅前の降車場に着いたのは同3時50分でした。

【阿山支所前のバス停】

 コースはほとんどが下りで、暑さを除けば、とても快適なウオーキングでした。目的地からのバスの時刻を気にしながら歩くので、時間には余裕を持って出掛けてください。

 自分で車を運転したり、歩いて眺めたりするのとは趣の異なるバスの車窓。住民の生活に不可欠な公共交通機関であると同時に、新鮮な目で地域を見ることができ、わくわくする乗り物と言えます。
 

 バスの時刻は曜日によっても変わりますので、お出掛けの際は必ず確認してください。

 

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