三重県伊賀市服部町の服部川左岸で、春はスイセン、秋にはコスモスの花が、道行く人たちの目を和ませている。草が伸び放題でごみも散乱していた河川敷を、少しでも良い環境に保てるようにと、近くに住む辰巳敞美さん(83)、綾子さん(81)夫妻が手入れや除草に汗を流している。
辰巳さん夫妻は5年ほど前、河川敷にスイセンを植えていた近所の年配男性から「後の世話を頼めるか」と尋ねられた。既に亡くなったその男性からは「1株1株、戦友の顔を思い浮かべながら植えている」と聞かされ、「大切にしなければ」と、花の世話に取り組むことにしたという。
2人は県伊賀建設事務所に、服部橋東側の河川敷約5千平方メートルの美化ボランティア活動の申請をして許可を取り、ごみ拾いや除草の傍ら、男性が遺したスイセンと、鹿の食害に遭いにくいコスモスやマリーゴールド、カキツバタなどを世話してきた。
登下校中の中学生、通勤途上や買い物帰りの人が橋の上から手を振るなど、春秋の花を楽しみにしてくれる人は多いそうで、時には若い女性がはかま姿で卒業記念写真を撮りに来たり、外国籍の女性が「故郷を思い出す」と立ち寄ったりしたこともあったとか。花畑の脇には、夫妻が取り組んでいるニュースポーツ「パターポケット」の試打もできるスペースも設けた。
2人は「草刈りや株の手入れはしんどいが、ごみが無くなった河川敷には、ごみが捨てられなくなった。地域の皆さんの親睦や絆づくりの場になればうれしい」と笑顔がこぼれる。「手伝ってくれる人や一緒に取り組んでくれる方がいればありがたい」とも語った。






