900羽飼育
移住した三重県伊賀市で、夫や友人らと養鶏や野菜作りに取り組んできた、同市朝日ヶ丘町の瀬川光子さん(84)がこのほど、自身の経験や鶏たちとの暮らしを、愛情のこもった手描きイラストを交えてまとめた本「鶏たちに生かされて」を出版した。
東京都世田谷区出身で、30歳の時に夫・矩生さん(2019年死去)と津市へ移住。当時、養鶏の仕事をしたことがきっかけで、鶏の魅力を強く感じていた。矩生さんの退職を機に農業を本格的に学ぼうと、伊賀市へ移住し、愛農学園農業高校(同市別府)が開講している講座などを経て、04年に伊賀市古山界外で「いが野の農園」を開いた。
3年後の07年、矩生さんと、志を同じくするメンバー2人とともに養鶏も開始。「初めは獣害に遭ったり、ひよこが育つ早さに設備が追いつかなかったりと、失敗の連続、試行錯誤の日々だった」が、卵が苦手だった人から「この卵なら食べられる」という声を聞くなど、認知度は徐々に高まり、現在は約900羽を飼育している。

鶏にストレスを与えないよう、平飼いで、輸入飼料はやめて近隣や国内産の農作物などを与えているそうで、健康的な鶏は消費者からの評価も高い。肥料や農薬を使わず育てた野菜や卵を届ける際には、その食材を使ったレシピや、季節や近況をつづった文章に手描きのイラストを添えて同封していた。
イラストや養鶏へのこだわりを知った購入者らから「絵本を出してみては」と言われたことにも背中を押された瀬川さんは、鶏の生育環境と卵の品質との関係やひよこの育て方などを、手描きのイラストで補足説明し、1冊にまとめた。
思い込めた70ページ
津市の出版社・一期堂の協力を得て、「三重の豊かな自然の中での暮らしを全国に届けたい」という念願をかなえた。本はスクエアサイズ70ページで、岡森書店白鳳店(同市平野西町)、ゆうきの八百屋さん(同服部町)、ハラペコあおむし(名張市上小波田)などで1冊2000円(税別)で販売している。
瀬川さんは「ずっと一緒に暮らしてきた鶏たちから日々エネルギーをもらっている。可愛い存在」と笑顔で語った。









