【畑でタマネギを収穫する井川さん】

団体アルバイト従業員 井川文人さん(72)

 百貨店で勤務、農業団体での六次産業化への取り組み、葬儀場での勤務。これまでしてきた仕事をする上で共通しているのは「もてなしの心」だ。

 奈良県出身で、結婚後、1976年から伊賀市で暮らす。大阪市内の百貨店では食料品部門に勤務して販売経験を積み、バイヤーを経て管理職に。57歳で早期退職したが、ものづくりや販売に携わる際、「売り手が商品に自信があったとしても、お客さんがどう感じるかが大切。最終的に判断してくれるのは客」と先輩から学んだという。

 次に尽力したのは、地元の農事組合法人「あぐりぴあ伊賀」の加工部門の運営だった。地元農産物の魅力を広めようと、特産のタマネギの食感を生かした寿司「シャキシャキいなり」や、酒米・山田錦の米こうじを使ったみそや餅などを開発した。イベントでの対面販売などを通じ、リピーターや取引先を増やしていった。

 現在はJAいがふるさとの葬儀場「やすらぎセンター」(同市下友生)でアルバイトとして、かご盛りの準備や樹木・芝生の整備などを担当する。「自然に囲まれた心休まる環境で、故人を送るひとときを迎えてほしい」との思いで仕事に精を出している。

 このほど長年の功績が認められ、県伊賀保健所などから功労者表彰を受けた。「仕事をして生きがいや収入を得るだけでなく、人に喜んでもらう。これからもそんな仕事を、体の動く限り続けていきたい」。孫たちと過ごす時間も大切にし、休日には野菜の世話をしたり、好きな釣りにも出掛けたりしているそうだ。

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