妊産婦や乳児らの移動を支える公共ライドシェア(自家用有償旅客運送)「はぐライド」の出発式が9月26日、三重県名張市役所で開かれた。10月1日から始まる約3か月間の実証運行を前に、関係者約20人が出席。タクシーを優先配車し、対応できない場合は住民ドライバーが担う仕組みに期待を寄せた。
実証運行は県のモデル事業で、12月28日まで。実際の利用状況やニーズを把握する。
式で一見勝之知事は「日本全体の期待を担った事業。名張を起点に全国へ広がっていけば」と期待を示した。北川裕之市長は昨年1月から市内で出産可能な医療機関が無い状況に触れた上で、今回の実証運行について「お隣の(伊賀市の)森川病院さんまで通院に使っていただける。タクシー事業者と住民ドライバーがコラボしながら、住民の足をつくっていくチャレンジ」と述べた。

その後、市内の母親(24)が生後3か月の長男と試乗した。自家用車を持たず、普段利用するコミュニティバスも本数が少ないといい、「首の据わらない子を抱えての買い物がしんどかった」と振り返った。はぐライドについては「健診や予防接種、通院に使えたら助かる。週に1、2回は利用したい」と期待を語った。
住民ドライバーを務める民生委員・主任児童委員の八木美由起さん(51)は、小学校の見守りや赤ちゃん訪問などを通じて母親たちの声を聞いてきた。「産前産後のしんどさに配慮しながら運転できたら」と話し、「うまいこと軌道に乗ってくれたら」と願った。
利用者の運賃は5キロまで500円で、以降は1キロごとに100円。通常のタクシー運賃と比べて約8割引きとなる。住民ドライバーは現在3人で、市職員も7人登録している。
県内では10月1日から、紀宝町でも公共ライドシェアの実証運行が始まる。両事業を合わせた実証運行事業費は総額約5500万円で、このうち約3800万円を国の補助金で賄う。県によると、タクシーを優先配車し、タクシーと住民ドライバーの運賃を同額とする公共ライドシェアは全国初の取り組みだという。
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