乳がん検診の大切さ訴える ピンクリボンサポート女性の25人に1人が乳がんに…。乳がんの早期発見、早期治療を呼びかける企画です。

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乳がん検診経験者50%(300人アンケート結果) | ▼発症者の3割が逝去。…なぜ?

連載 第11回:発症者の3割が逝去。…なぜ?(金つなぎの会代表 広野さん)

病院での出会い
私の左乳房左上部に現れた直径1センチのしこりがエコー、穿刺吸引細胞診(せんしきゅういんさいぼうしん)、マンモグラフィなどの検査結果から、乳がん(1期C)と診断されたのは、1992年の春。大阪大学医学部付属病院乳腺外科・外来での出来事でした。すぐに全摘手術を受け、17日後に退院。その間、誠に無残な乳がん患者の方に出会いました。
大阪近郊の農家の主婦で、49歳。お姑さんの看病中に倒れ、地元の病院から紹介されて阪大病院を受診したとのことでした。右の乳房はパンパンに張り、青赤黒く盛り上がったこぶし大の病巣からは、滲(しん)出液が絶えず染み出し、大きなガーゼをぬらしていました。抗がん剤治療を受けておられ、「息子と娘を結婚させるまでは、絶対に死ねない!」と頑張っておられましたが……。

恥ずかしかった
「なぜ、こんなになるまで!」と一見、絶句した私に、生前の彼女は、「義父母のお世話と農作業で忙しかったし、何より恥ずかしかったのよ」とポツリ。
もう少し早く検診を受けておられたら! ひとごとながら、手遅れを悔やみました。
乳がん発症者の3割が逝去に至る原因のひとつは、何よりも、発見の遅れ。早期に発見されれば、治療の選択肢がまだまだ多い乳がんです。「恥ずかしい……」と言わないで、「まさか、私ががんになど……」と思い込まないで、乳がん予防は、まず、がん検診から!

集団乳がん検診の問い合わせは伊賀市健康推進課 電話22‐9653、名張市保健センター 電話63‐6970へ。


【広野光子】ジャーナリスト、名張市がん・難病相談室専任相談員、がんを明るく前向きに語る・金つなぎの会代表

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