乳がん検診の大切さ訴える ピンクリボンサポート女性の25人に1人が乳がんに…。乳がんの早期発見、早期治療を呼びかける企画です。

ピンクリボンサポートトップ > 連載 第7回:再発と転移 忘れた頃に

特技を希望に | ▼再発と転移 忘れた頃に

連載 第7回:再発と転移 忘れた頃に(金つなぎの会代表 名張市 広野さん)

職場のがん検診で見つかった乳がん(1期C)を全摘切除。その後15年が経過したというのに、今も私の心に深く潜む心の不安―。それが、「再発・転移」への恐れです。

他のがんと違って、乳がんは医師から「10年経ったから、もう大丈夫ですよ」と言われてから、思いもかけず再発、転移の経過をたどることが多いのです。

がん患者会「金つなぎの会」でも、十数年後に再発の憂き目を見る病友も多く、なかには乳がんが肺やリンパ腺などに転移し、果敢な闘病中に乳がんの再発を見、最初の乳がん発症から35年目に、新たな抗がん治療に入った例も……。けれども毎年、乳がん検診を欠かさず受けていたおかげで、再発とはいえ「早期発見・早期治療」で今も元気に闘病中です。

乳がんは組織学的分類によれば、▼非浸潤性乳管がん▼同小葉がん▼浸潤性乳管がん(乳頭腺管がん、充実腺がん、硬がん)▽特殊型浸潤がん(粘液がん、扁平上皮がんほか9種)、パジェット病など、17パターンにもおよぶ「顔」を持ち、私たちの乳房に数年かかって現れます。1個のがん細胞が2個に分裂するのに要する時間をダブリングタイム(体積細胞数倍増時間)というのですが、乳がんの場合、この日数がおよそ100日。それが1センチの病巣に育つまでに、30回のダブリングタイムを重ね、結果、8年かかって顔を出すというのですから、どうぞ、「がん再発(転移)は、忘れたころにやってくる!」をお忘れなく、定期検診を。

【広野光子】ジャーナリスト、名張市がん・難病相談室専任相談員、がんを明るく前向きに語る・金つなぎの会代表

YOUよっかいち