利用者の「幸せ」追求、歩みを本に 障害者施設長・伊賀の山下さん

著書を手にする山下さん=甲賀市甲南町の「やまなみ工房」で

 利用者たちが生み出す独創的で個性豊かなアート作品で知られる滋賀県甲賀市甲南町の障害者施設「やまなみ工房」で施設長を務める山下完和さん(59)=三重県伊賀市白樫=がこのほど、現在の工房の姿を築いてきた経過を「咲ける場所に置いてくれ」と題した本にまとめた。

 20代のころは職を転々とし、父が始めた同工房の前身「やまなみ共同作業所」で支援員として勤務することになった。それまで全く経験の無かった仕事で、利用者との関係づくりや資金繰りの苦労など、苦悩や葛藤を抱えながらも、「利用者の幸せとは何か」をずっと追求してきた。

内職からアートへ

 「単価1円の内職」から始まった工房の活動が、資格やバックグラウンドを持たない個性的なスタッフと利用者の信頼関係により、世界的に高い評価を受けるアートに進化。施設にアトリエやカフェ、ギャラリー、更にはライブハウスも設けるなど、障害者に対するイメージを変えていくことにも成功した。

 これまで「障害者に対する偏見を無くしたい」との思いで、市内の子どもたちを始め、30年間にわたってアメリカ、フランス、オーストラリア、台湾、香港、エチオピア、ガーナなど、国内外で講演活動も行ってきた山下さん。「出版することで、これまでの講演で直接伝えることがかなわなかった多くの方に知ってもらえるようになる」と出版の動機を語った。

 書籍は四六版298ページで税込み2420円。アマゾンや全国の書店で販売しており、伊賀地域では岡森書店白鳳店(伊賀市上野平野西町)などで扱っている。

– 広告 –

– 広告 –