【澤まり子さんと副野佳代子さん】

 三重県名張市の名張商工会議所が創立60周年を迎えた2018年に創設した「名張商工会議所長寿企業表彰制度」。表彰された43社をより多くの人に知ってもらおうと、追加取材とデータをデジタル化して一つのホームページにまとめたサイトが開設された。表彰は、会員として10年以上経過した企業で、市内に本店、本社を有し、100年以上存続し経営する企業が対象。YOUでも毎週1社ずつ、創業年代順に企業を紹介していく。名張の長寿企業サイト

創業1892 明治25年

名張市上本町37
電話 0595-63-0138
代表者 澤 義一

店頭に並ぶさまざまな種類の毛糸

■ 取扱商品・サービス

 毛糸編み物用品や和洋裁用品、布、手芸用品全般を販売しながら、名張市内・奈良市内でサークル活動の講師として、編み物や手芸等のお手伝いもしております。

いろいろな種類のボタン

■ 事業の沿革

 文久年間に、酒造業を営んでいた本家澤佐次右衛門から分家した澤佐八が、名張町上横町(現在の上本町)で醤油醸造業を始めたのが当家の始まりだと聞いております。
 その後、ガソリン販売業や不動産業などを併業しておりましたが、戦後に4代目澤潤一が毛糸・洋品小物等ファッション関連の小売店に業態転換し、現在に至っております。

店舗の外観

■ 経営理念・特色

 商品の品揃えは豊富です。時代の変化にも変わることなく対面販売をしております。その対面販売の良さを生かし、店頭でのアドバイスも行っております。
 手づくりの良さや大切さをお客様に伝えながら、お客様とともに考え、ひとつの作品を作り上げていくという喜びや楽しさをわかっていただけるよう、心掛けております。

編み物をする澤さん

■ 編み物でつなぐ人と人

 Q 普段、お店はどのように営まれていますか
 A 私と、30年来のベテラン従業員の副野佳代子さんの2人で主に切り盛りしています。私は普段から名張市や隣接する奈良県を中心に地域の市民センターなどで編み物教室を開いていますが、その間は副野さんが店のことを守ってくれます。もちろん、副野さんも編み物の指導ができます。上本町サンロード商店街も色々と厳しい状態ですが、2人が元気なうちはなんとかこのお店を続けていきたいです。

 Q 先代の教えで、大切にしていることを教えてください
 A 笑顔を大切にすることです。先代は常に笑顔で接客するようにと、「サワスマイル」という言葉をよく口にしました。私がしたいように、自由にさせてくれたので、販売と手芸の指導を並行するサワ毛糸店のやり方を定着させることができました。

 Q 改めて編み物の良さを教えてください
 A 何と言っても、自分で作ることの楽しさです。また、無心になって編むことで気持ちをリセットでき、日常のストレスを和らげることにつながります。材料も善し悪しがあり、この店ではこだわりの商品しか扱っていません。入りやすい店であることを心掛けていますので、編み物のことは気軽に何でもご相談ください。

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