※当記事の情報はすべて初回掲載時のものです。

スッキリしてる? 政務活動費 名張市議会編

日常旅費 非公開の「計算書」

目的地 経路 調査事項 説明責任は?


 議員報酬とは別に、調査研究などで必要な費用の一部として交付する2013年度政務活動費の収支報告がまとまった。前号は伊賀市議会編、今回は名張市議会(定数20人、欠員2人)を取り上げる。

改選半年前 執行率19%減に 市への返還額243万円

 YOUでは毎年、情報公開請求で収支報告書や視察報告書などの資料を取り寄せ、元は税金の政務活動費を何に使ったか取材している。名張市議会の交付総額は936万円で、支出額は692万2954円。市に返還した残額は243万7046円だった。

 調べた期間は昨年4月から、改選半年前の今年3月末まで。執行率は約74%で、前年度よりも18・9%減った。隣の伊賀市議会(定数24人)では改選して1年目の年にあたり、施行率が23%増の77・3%(前年度54・3%)だった。
 名張市議会は会派支給で、1人当たりに換算すると年48万円(月4万円)。13年度収支報告時(14年4月30日現在)の在職議員数は18人で、年度途中で「清流クラブ」を解散し、無会派となった男性議員1人が半期分全ての24万円を返還した。

2会派の6人が計33万円請求

議運委で決定「必要ないと判断」

 最も気になった項目は、同市議会が政務活動費として認めている「日常的な政務調査活動の旅費」(日常旅費)。議会の取り決めで事前の議長決済や報告書は不要としており、近隣への視察や会議出席などにかかった交通費の一部として、議員1人につき月5千円(年6万円)を上限に請求できる。

 日常旅費で情報公開の対象資料は、自家用車の場合が職員の旅費に準じた1キロ37円で計算した車賃を、バス・鉄道・タクシーの場合が実費分の運賃を月ごとに各議員がまとめた請求書。13年度は「心風会」「みらい」に所属する6人が計33万円を請求した。5人は車賃として支出し、1か月の平均移動距離は150キロ前後だった。

 日常旅費の関係資料には、目的地や経路、調査事項を記入する計算書という、もう一つの書類が存在する。同市議会の政務活動費マニュアルで書式を定めているが、議会運営委員会で「公開の対象外」としているため、第三者が確認できず、会派で保管している。

 6人の議員がいつ、どこに、誰と、どんな目的のために旅費を求めたのかを調べるため、2会派に取材した。計算書の明示について、心風会は「議運委で公開しないと決めたので明示する必要はないと判断している。行き先や面会者など個人が特定できる資料なので」。みらいは「我々2人は13年4月から9月まで心風会の所属だった。隠す必要はないと考えているが、今回は心風会の判断に同調する」と答えた。

 各月の請求額しか公開しない状況で、透明性の確保や説明責任が果たせるのか尋ねると、心風会とみらいは「今回受けた指摘を8月の改選後に開かれる議運委で議題にし、応じるべきか話し合いたい」との考えを示した。

6人がパソコン購入

 また、同じその他経費に含まれている、上限が1人月5千円の電話料金は16人が請求し、合計93万円を支出した。資料作成費としてパソコン(5万円を超える部品類のケースも含む)を購入したのは「清風クラブ」3人と「公明党」2人、「みらい」1人の計6人。金額は5万2838円から9万2800円だった。

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