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スッキリしてる?【政調費】

のし袋代 2会派が修正届

 名張市議会の政務調査費問題で、2会派が2006年度に提出した領収書の中から、新たに「のし袋」の購入と思われるレシート2枚が見つかった。請求金額はA会派が945円、B会派が3点で計1040円。のし袋代は、条例に記載された政調費として使用不可項目の「慶弔費等交際経費」に当たる可能性が強く、住民からの理解も得にくいとの判断から、2会派は2月19日の取材後、それぞれ収支報告書の修正届を提出した。

「キンプウ」は

 2枚はいずれも同じ文具店が発行したもので、レシートには「キンプウ」の文字が印字されていた。同店に尋ねると、「キンプウと打つのは、うちでは『のし袋』だけ」。
 レシートは2枚とも会派名、議員名の記載がなかった。A会派には当時5人が在籍、B会派は3人で現在は解散している。

 また、05年度に5枚の領収書で書籍代金計2万255円分を計上したC会派。当時、所属議員は3人いたが、請求者名はいずれも「上様」だった。

 現会派長のG市議に確認すると、「これは私たちのミス。今はきちんと記入するよう指導しているのだが。領収書の裏には書籍名を書いてあるはず」と答えた。

展示写真を

 政調費から展示写真の費用をねん出したH議員。05、06年度にプリント代2枚計8千円(半切サイズ)と額2980円の合わせ1万980円分を計上した。

 H市議は所属する写真サークルの一員として、公民館文化祭や写真展に出品したと説明。使途目的は「大勢の市民にみてもらうため」。撮影したのは赤目四十八滝での「滝びらき」と山口県下関市であった「消防出初め式」の様子だという。

理由を追記

 同市議会ではさる2月16日の議会運営委員会で、政調費に関する事務手続きの見直しについて協議を行った。その中で議会事務局は「使途基準や収支報告書を精査してみると、分かりにくいものがある」と指摘。第三者が見てもひと目で分かるよう、レシートや領収書には購入品目や使途理由などを議員自身で追記すよう議員に提案し、具体的な表記例などを事務局から改めて示し、4月末が提出期限となっている08年度の報告に間に合うよう協議していくという。

元は税金

 日本地方自治学会理事で四日市大学総合政策学部の岩崎恭典教授のコメント 「政調費の元は税金。行政を監視する役割の議会が、行政に説明責任を果たせと言うのなら、議員もそれを果たさないといけない。それが素直な住民感情でしょう。全国でみると、議員が個人のホームページで政調費の使い道を公開している例がかなり出てきている。請求があって初めて出すのではなく、自主的に公開するというのが次の方向だと思う」

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前号の記事から

 市議1人に年間48万円、9会派20人分で総額960万円の政務調査費を交付し、県内14市で個人への支出が5番目に多い名張市議会。YOU501号で、2004年度から過去4年分の領収書に、使途の不明なものや公私の区別がつけにくいものが含まれていることを報じた。A、B、C市議はそれぞれ「お品代」の領収書を提出。D市議は選挙用支援システムソフトのバージョンアップ費用と携帯型ナビの購入、E市議は自家用車にカーナビソフトを購入、F市議は4年間でデジタルカメラ3台分の領収書を添付するなど、同制度の透明性やチェック機能の甘さが浮き彫りになった。「第二の議員報酬」と指摘されている政調費。使い道や支出の手続きは市民の目にどう映っているのだろうか。

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