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「草の根」活動の必要性 検診ネットワーク竹田代表に聞く

小単位で講演・啓発を

 今回の乳がん検診受診率統計について県内全体に目を移すと、名張市や伊賀市のように、表Aと表Bで受診率に違いがある市町がある。また、市町による受診率の差も大きい。これらについて、三重乳がん検診ネットワークの竹田寛代表に聞いた。

Q 厚労省発表の県内市町の乳がん検診受診率が、名張市と伊賀市はそれぞれ3・9%、0%(表B)で、実際の受診率(表A)と違うのはなぜか。

竹田代表 「厚労省のこの受診率(表B)は、マンモグラフィ検査と視触診両方を行った場合の数値です。ところが視触診を併用せずマンモグラフィ単独で検診を行っているところもありますが、その数は統計に含まれていません。乳がん検診において最も大切なことは、マンモグラフィ検査を受けることですので、視触診併用の有無にかかわらず、マンモグラフィ検査の受診総数を検討することが大切だと思います。」

Q 受診率の高い市町と低い市町では取り組みにどんな違いがあるのか。

竹田代表 「受診率が高い市町では、地域ぐるみで細やかな啓発活動が行われています。ピンクリボン運動の啓発活動には、大規模なイベントばかりでなく、地域の取り組みを充実させていくことが大切ではないでしょうか。」

モデル事業に

Q 検診についての認識という点は、どうか。

竹田代表 「乳がんは早く見つけたら治る、ということがまだ浸透しきっていないと思います。このためにも地域単位の草の根的な活動は必要だと考えます。」

Q 「草の根的」とは具体的にはどのような方法か。

竹田代表 「今年度私たちは名張市から、がんに関する様々な事業を委託されました。このうち啓発活動に関しては、名張市内の小さな町単位で講演会や啓発活動を繰り返し行っていく予定です。市内の各地域をくまなく回り、地域住民の方々と膝をつき合わせて、乳がん検診の重要性を丁寧に説明することにより、名張市全体での受診率向上を図りたいと思っています。名張市における私たちの試みが、地域を拠点にした啓発活動のモデル事業になればと願っています。」


【竹田寛代表プロフィール】 三重大学医学部放射線医学教室教授、同附属病院院長。2005年6月に三重乳がん検診ネットワークを設立。乳がん受診率の向上・普及啓発のための講演会を積極的に開催。また、読影医師、撮影技師の養成に尽力している。

伊賀タウン情報YOU 2012年5月後半(580)号」より

   
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