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生活習慣見直し、がん予防を

受診率向上で乳がんストップ
「適度な食生活続けて」 ご飯、主菜1品、副菜数品

 管理栄養士 金山さんに聞く

 日本人のがんの罹患率、死亡率が問題となって久しく、検診受診率向上に向けた啓発や、がんの予防に関する研究も進められている。それに伴い、がんの予防に有効だとされる生活習慣の見直しについても関心が高まっている。今回は、食生活を中心とした生活習慣について、日本対がん協会三重支部である三重県健康管理事業センター(津市観音寺町)の管理栄養士、金山典子さん(34)=写真=に話を聞いた。

 ―がんを予防するために生活習慣を見直す、とは具体的にはどういうことですか。

 金山「たばこは吸わない、適度な飲酒、野菜・果物を十分とる、塩辛いものは控える、適度な運動、適切な体重維持、などが挙げられます」

 ―食品に関して、がんになりやすい食品、逆になりにくい食品というものはありますか。

 金山「これを食べたらがんになる、がんにならないというものはありません。ただ、がんの要因と考えられるものについての調査結果を、国立がん研究センターが公表しています(注)。さまざまな要因と各がんとの関連を『確実』『ほぼ確実』『可能性あり』『データ不十分』と評価しており、例えば、喫煙は『確実』に肺がん、胃がん、食道がんなど、飲酒は『確実』に肝臓がんなど、肥満は閉経後の乳がんの要因となる、などとしています」

 ―乳がんの原因として、よく「食の欧米化」と言われますが、「欧米化」とはどういった食事を指しますか。

 金山「高カロリー・高脂質の食事、といった意味です。だからといって、単にカロリーを控えればよい、という考え方は要注意です。栄養士は、総摂取エネルギーに対する脂質の割合に注目します。カロリーを抑えても、脂質の割合が高い食事を続けるのは危険です」

 ―栄養の偏ったダイエットは危険ということですね。

 金山「ダイエットといって、例えば1つの食品だけを食べ続けるということをすると、血液データも悪くなります。また、やせすぎも、病気になった時に抵抗力がなくなるといった問題が起きます。健康関連の情報は氾濫しています。むやみに振り回されないようにしてください」

 ―がんにならない食品はない、と先ほど言われましたが、乳がんの発生を抑えるのに大豆製品が良い、と言われますが。

 金山「大豆は良質のたんぱく質を含むので、積極的にとっていただきたい食品です。でも、サプリメントから過剰に摂取すると健康への弊害が出ることもあるので、注意が必要です。安易にサプリメントに頼らず、適切な食生活を長く続けることが大切で、その意味でも、若いころからバランス良く3食きちんと食べるようにしてほしいです」

 ―バランスの良い食事をとるのに、効果的な方法はありますか。

金山「和食の定食のように、ご飯、主菜1品、野菜や汁物の副菜2、3品がそろった食卓を意識してください。脂質のとりすぎを防ぎ、野菜もしっかりとれ、良いバランスの目安となります。特に野菜は、1日350グラム以上とることが勧められています。小鉢で1日に5皿以上を目標に、副菜や汁物を欠かさないよう心がけたいですね」
(注)国立がん研究センター、生活習慣改善によるがん予防法の開発に関する研究・エビデンスの評価

伊賀タウン情報YOU 2012年2月前半(573)号」より

   
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