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【ピンクリボン海外事情⑪】根付く「支え合い」

米国編U・後編

本紙ライター・坪田多佳子


▲美恵子・ラムさん

 海外でも展開するピンクリボン運動。他国の人たちと話すと、日本とは違った事情も垣間見え、考え方のヒントになることにも出会う。前回に続き、米国で美容室を経営する美恵子・ラムさんとの会話を紹介する。(M=美恵子さん、T=私・坪田多佳子)

 

 T 周りの乳がん患者さんたち、とてもポジティブなんだって?

 M 乳房再建をした人たちが、自分たちの写真をカレンダーにして売ってるのを見て思ったの。乳房再建の時、フェイスリフトも受けて若返ってた知人もいるし。仕事復帰も早かった。

 T 入院は短い?

 M その傾向ね。早く復帰できるよう栄養士やカウンセラーもつくみたい。NPOのサポートもあって、いろいろ無料で提供される。

 T NPOってピンクリボンなどの寄付の行き先?

 M そう。寄付で成り立っている団体が多いから。寄付のための催しも多いし、買い物の支払いの際にはさまざまな病気への寄付を聞かれる。

 T 日本にはそれほど寄付の習慣はないかな。

 M 米国でもアジア人にはあまり浸透してないみたい。でも、サポートできるのにしないのはどうかなと思う

 T サポートされる側になるかもしれないしね。

 M こんなこともあったわ。乳がんで亡くなった方のお葬式にお花を贈ろうとしたら、遺族の方に言われたの。「お花を贈ってくださるかわりに、全額を乳がんのサポート団体に寄付してください」って。

◇◇◇

 寄付の文化が根付く国には「支え合い」が暮らしの中にあるようだ。米国のピンクリボン運動は、啓発がメインの日本より患者支援の意味合いが強いと感じるのはそのためだろうか。

 美恵子・ラムさん(58)  美容師、ネイリスト、エステティシャン。家族は中国系米国人の夫、子ども2人。米国在住。

伊賀タウン情報YOU 2016年11月後半(688)号」より

   
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