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【ピンクリボン海外事情⑩】ピンクリボン関連の商品は?

米国編U前編

本紙ライター・坪田多佳子


▲美恵子・ラムさん

ひたすら耳を傾ける

 海外でも展開するピンクリボン運動。他国の人たちと話すと、日本とは違った事情も垣間見え、考え方のヒントになることにも出会う。今回は米国で美容室を経営する美恵子・ラムさんとの会話を紹介する。
M=美恵子さん、T=私(坪田)

 

 T ピンクリボン関連の商品は、身近にたくさんあるんだって?

 M 家庭だけじゃなく、美容室で使うシャンプーやドライヤー、ハサミ、クリップとかにもね。それを買ったり売ったりすると金額の一部が寄付される仕組みよ。

 T 美容室でも乳がんの話をする機会があるってことね。

 M そうね。患者さんも来店されるわ。自分の髪の毛の一部でかつらを作るため、放射線治療の前に髪を切りに、とか。

 T 日本ではかつら用に髪を寄付するヘアードネーションというのがあるよ。

 M ここでもドネーションを希望するお客さまは少なくないわ。でも規定が色々あるので、それに合った髪のお客さまにはこちらからドネーションを持ち掛けたりもする。

 T 既製品もあるよね?

 M もちろん。買ったかつらに違和感がある場合、似合うようにカットしてって頼まれる。ここで長さや厚みを調整するの。気に入らない髪型だと気が落ち込むものね。

 T そんな時、どんな話をする?

 M 要望通りの切り方ができるよう確認する以外は、口を挟まずにひたすら耳を傾ける。うちのお客さま、日本の方が多いのよ。「アメリカにいながら日本語で思いきり話ができて癒やされる」って言われたのはうれしかったな。

◇◇◇

 ひたすら耳を傾ける―。支援を必要とする人の話を聞く「傾聴ボランティア」の取材で聞いたことと重なる。美容室という日常の場での「傾聴」の意味は大きい。

 美恵子・ラムさん(58)  美容師、ネイリスト、エステティシャン。家族は中国系米国人の夫、子ども2人。米国在住。

伊賀タウン情報YOU 2016年10月前半(685)号」より

   
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