療養を少しでも快適に
経験者の思いを反映
県がん相談支援センター
療養生活が少しでも快適になるよう応援したい―。県がん相談支援センター(津市桜橋)は、毎月第2木曜日午前9時から「タオル帽子を届けましょう」を開き、タオルを使ってがん患者のための帽子をつくり、必要な人たちに届ける取り組みを進めている。
同支援センターに寄せられた「治療中、気軽に使える帽子が欲しい」との要望に応えようと、昨年4月から製作を始めた。乳がん経験者たちが中心となって、昨年末までに100枚以上の帽子を作り、がん患者や家族が集う「おしゃべりサロン」などで、無料で配ってきた。
帽子はタオルを2枚重ねたリバーシブルタイプ。縫目が皮膚に直接当たらないよう作られている。製作に携わる乳がん経験者たちが自分の治療中の思いを反映しようと、帽子のデザインや縫い方に改良を重ねた結果だ。 5年前乳がんを経験した吉村清子さん(69)は「髪が抜けて寒い思いをした際、知人からタオル帽子を勧められ、有難かった。お返しがしたいのですてきな帽子になるよう工夫をしている」と色柄へのこだわりを語る。6年前乳がんになった時、「おしゃべりサロンで元気をもらった」と話す山口都子さん(68)は「タオルの端切れも無駄にしません」とほほえむ。帽子だけでなく、余った生地で乳房パッドやリンパ浮腫予防のためのお手玉なども作るのだという。
夏ごろからは、がん患者の支援をするサポーターの北村周子さん(58)のアイデアで、同センターが毎月第4木曜日に開いている絵を描くサロンで作った絵はがきを帽子に添えて贈ることにした。絵はがきには「一人じゃないのよ」など、思いのこもったメッセージも書かれている。
目下、タオルにボアシーツを組み合わせた冬用帽子を試作中だという吉村さんは「もっと使いやすいものにしたい」と話していた。
タオル帽子は、奇数月の第1木曜日、午後1時半からハイトピア伊賀(伊賀市上野丸之内)で開かれている「がん患者と家族の方のおしゃべりサロンin伊賀」で入手できる。希望者は同支援センターへ電話で申し込む。
また、「タオル帽子を届けましょう」への参加も可能。希望者は、タオル2枚と裁縫道具を持参する。参加無料。
同支援センターでは随時、タオル帽子製作に使える新品のタオルの寄付を募っている。
問い合わせは同支援センターTEL059・223・1616まで。
「伊賀タウン情報YOU 2016年1月後半(668)号」より