乳がん検診の大切さ訴える ピンクリボンサポート女性の25人に1人が乳がんに…。乳がんの早期発見、早期治療を呼びかける企画です。

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乳がん検診の受け方は

中井昌弘医師に聞く

 元プロレスラーでタレントの北斗晶さんが乳がんを告白し乳がん検診の重要性を訴えたことや、ピンクリボン月間の先月、全国各地で啓発活動が行われたことなどを受け、乳がん検診への関心が高まっている。そんな中、私たちはどのように検診を受ければよいのか。日本対がん協会三重支部の三重県健康管理事業センター理事兼診療所長の中井昌弘医師=写真=に話を聞いた。

 

 ――マンモグラフィ検診は40歳以上と言われていますが、若い人はどうでしょう。

 20代や30代の女性にはマンモグラフィ検診は勧められません。なぜなら40歳未満の有効性、つまりマンモグラフィ検診を受けることで死亡率が下がるという証拠がないからです。

 ――有効性について具体的にお聞かせください。

 検診は、受けることによるメリットとデメリットとを考える必要があります。メリットばかり強調されるべきではありません。金銭的、時間的な負担に加え、実際には乳がんではないのに精密検査になる場合、命と関係のないがんが見つかる場合、マンモグラフィ撮影では放射線に被ひばく曝するなどのデメリットもあります。メリットがデメリットを上回ったとき検診は有効だと言えるのです。

 ――40歳以上ではデメリットを考慮してもメリットが上回ると証明されているということですね。

 多くの科学者はそう考えています。ですから、40歳以上の女性はマンモグラフィ検診を受けてほしい。2年に一度、定期的に受けてください。詳しい内容は国立がん研究センターの「有効性評価に基づく乳がん検診ガイドライン2013年度版」にありますが、40歳以上74歳以下はマンモグラフィ検診、40歳以上64歳以下は、マンモグラフィと視触診の併用が有効となっています。

 ――ところで、マンモグラフィ検診を受けても乳がんになってしまったというケースもあるようですが。

 マンモグラフィ検診は万能だという考えは適切ではないですね。マンモグラフィに写るがんの割合は年代によって違います。50代と60代では約90%、40代では約70%のがんしか写りません。検診の精度には限界があり、検診は乳がんで死亡するリスクをなくすものではなく減らすものと考えるべきでしょう。がんにはさまざまな種類があり、成長の早いもの、見つけにくい場所にできるものなどもあります。

 ――検診を受け、更にセルフチェックなどで身体の変化を見逃さないということですね。

 乳がんの症状はほとんどが痛みのないしこりと、乳頭からの血性の分泌物です。痛みについては、生理周期と関係がなく、突然出てきた場合は問題になります。乳房に今までとは違う何らかの変化があれば、次の検診を待たずに、乳腺外来を受診してください。

伊賀タウン情報YOU 2015年11月前半(663)号」より

   
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