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男性も乳がん発症

早期に発見仕事に復帰


▲ジョギングで汗を流す男性
=伊賀市内

  日本人女性の12人に1人はかかるといわれる乳がん。早期発見であれば90%は治癒する可能性があるという(注1)。乳がんは女性だけのものと思われがちだが、実は男性が発症することもある。乳がん患者の症例全体の1%以下のまれなケース(注2)だが、伊賀市内にも乳がんと診断された男性会社員がいる。
 現在はジョギングなどで体力作りに励んでいる男性に話を聞いた。

 伊賀市在住の男性(53)は、4年前の6月、「乳がん」と診断された。
 毎年会社で健康診断を受けていた男性だが、その年は10年ごとに受ける人間ドックを同市立上野総合市民病院で受診。検査の結果、腎臓に腫瘍の疑いがあることが分かった。
 翌月、再検査を受けたものの結果は異常なし。その際、男性は半年位前から気になっていた左胸の「パチンコ玉のようなぐりぐりしたもの」について相談。医師の指示で同院の専門医に診てもらうと「これ何!」と驚かれ、後日マンモグラフィと穿刺検査で乳がんだと診断された。
 以前から“しこり”の正体が分からず不安だったという男性は「やっと理由が分かった」という思いと「男も乳がんになるのか」という驚きが混じり複雑な心境だったという。
 幸い初期で他への転移がなかったため、診断の翌月に手術で除去。リンパの一部は切除したものの筋肉は取らずに済んだため、術後の回復も早く3週間ほどで仕事に復帰できた。
 直径1センチほどだったがんは手術時には2センチ大になっていたそうで「もしあの時、相談していなければどんどん大きくなっていたかも。早期に発見できて本当に良かった」と振り返る。
 現在は休日には5年前から夢中になっている登山を、平日は8年前に始めたジョギングを無理しない程度に楽しんでいるそうだ。
 男性はこの体験を通して「自分で判断せずに気になることは医師に聞く。検診は毎年受けようと周りの人に伝えたい」と話した。
(注1・2) 国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」より

伊賀タウン情報YOU 2015年5月前半(651)号」より

   
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