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肥満とがんの関連は?

三重乳がん検診ネットワーク竹田寛代表に聞く


▲竹田代表(提供写真)

 がんが身近な病気となった今、がん予防に関する研究も進んできた。科学的根拠に基づくがん予防などを研究している国立がん研究センター(東京都中央区)のがん対策情報センターによる2007年の推計値によると、日本人の2人に1人が生涯で何らかのがんになるとされている。このほど、同研究センターが日本人を対象に肥満とがんの関連を研究し、閉経前、閉経後ともに、肥満は乳がんの危険性を高めると発表した。
 今回は、肥満とがんの関連を三重乳がん検診ネットワークの竹田寛代表に聞いた。

 

 ―センターは、体重を身長の2乗で割った体格指数であるBMIの数値が高いほど乳がんのリスクが高くなるとし、中高年女性の目標値を21以上25未満にしました。

 数値はあくまで目安と考えると良いでしょう。この研究で、日本人の肥満と乳がんリスクについて明らかになりましたが、肥満は他のがんについてもリスクになると言われています。脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪がありますが、がんのリスクになるのは臓器の周辺につく内臓脂肪です。BMIが25を超えていなくても、お腹周りが男性で85a、女性で90aを超えると内臓脂肪の面積が100a以上の危険域に入ると推定されます。CTを撮れば正確に内臓脂肪を測れます。

 ―内臓脂肪型肥満が危険なのはなぜですか。

 これについては最近、アディポネクチンというホルモンが関係していることが分かってきました。アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、乳がんを含めたさまざまながん、糖尿病、動脈硬化を予防すると言われています。このホルモンは痩せている人には少ないのですが、内臓型肥満でも、大幅に減るのです。

 ―センターは、痩せている方が乳がんのリスクが低いとしましたが、BMIの目標値を21以上とし、痩せ過ぎにも注意を促しています。

 痩せ過ぎても太り過ぎても、アディポネクチンは少なくなります。だから適正体重を維持することが大事だと言えます。また、このホルモンを増やすには、豆腐や食物繊維を多く含む緑黄色野菜、海藻などを取ると良いと言われています。

 ―そうした食物を取ることは、食生活の改善にもつながりそうです。

 肥満はがんのリスクですが、それには食事、運動などの生活習慣も影響しています。生活習慣全般の見直しが大事でしょう。定期的に検診を受けることも忘れないでください。

伊賀タウン情報YOU 2015年1月前半(643)号」より

   
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