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登録12万人 超検診の質向上へ

三重乳がん検診ネットワーク

三重大学教育学部保健体育講座准教授の重松良祐さん(43)

 三重乳がん検診ネットワーク(津市江戸橋)への登録者数が、2005年の登録開始から14年2月末で12万1858人となった。乳がん検診受診の際にネットワークへ登録できる医療機関は、現在26施設。検診については、受診率を高めるだけでなく質の向上が求められる中、ネットワーク登録にはどのような意味があるのか? 今後の展望を含め、ネットワークの竹田寛代表=写真=に聞いた。

 ――乳がんの見落としが報告されるなど、検診の質が問われているようです。

 竹田 検診を受ける際には次の3点を備えた医療機関を選ぶことが大事です。基準を満たしたマンモグラフィ装置、撮影技術の認定された放射線技師、認定を受けたマンモグラフィ読影医師。マンモグラフィ検診の精度を上げるには、この3点がそろう必要があるのです。ネットワークに参加している医療機関はこの要件を満たしています。

 ――「認定」とはどういうことですか。医師や技師の技術を計る目安があるのでしょうか。

 竹田 乳がん検診の精度を管理するNPO法人「日本乳がん検診精度管理中央機構」(名古屋市中区)という組織があり、マンモグラフィの撮影や読影に関する講習会や認定試験を行っています。同機構では厳しい試験を行って、一定レベル以上の力量を有する医師や技師を認定しています。ネットワークに参加する医療機関には、この認定医師、技師がいなくてはなりません。また、「検診の質を上げる」には、見落としを防ぐだけでなく無駄な精密検査などの過剰診断を減らすことも大切です。

 ――ネットワークに登録する一番のメリットは何ですか。

 竹田 マンモグラフィの読影で異常を発見した場合に診断の精度が上がることです。登録すると、マンモグラフィ検診の結果は登録者固有の検診ファイルへ入力され、県内28病院で構成するインターネットの専用回線を利用したネットワークにより一括管理されます。ネットワークに参加している医療機関であればどこで受けても、結果は同じ自分のファイルへ入力されるので、何らかの異常を発見した場合、このファイルに記載されている過去の結果を参照できるのです。検診では以前の結果と比較することが極めて重要です。

 ――ネットワーク登録者は、現在12万人を超えました。

 竹田 県内の乳がん検診対象者は約54万人です。ですから、少なくとも25万人以上、つまり、対象者の半数以上の登録を目指します。また、カードを持つことが定期的な検診の意識づけになればと願っています。

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 伊賀地域のネットワーク参加医療機関は以下の通り。伊賀市立上野総合市民病院伊賀市検診センターTEL24・1186、寺田病院TEL63・9001

伊賀タウン情報YOU 2014年4月前半(625)号」より

   
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