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自己判断のサプリは避けて

がん予防と食生活の改善

 バランスとれた食事を

三重大学医学部附属病院病院長顧問で管理栄養士の岩田加壽子さん(62)

 がん予防の一つとして考えられている食生活の改善。食に関するさまざまな情報が飛び交う中、私たちは何をすればいいのか? 今回は、食についての考え方、続けられる食生活の工夫などについて、三重大学医学部附属病院病院長顧問で管理栄養士の岩田加壽子さん(62)=写真=に話を聞いた。

 

――がん予防として、特定の食品が良い、あるいは悪い、というものはありますか。

岩田さん これを食べれば予防できるという特定の食品はありません。ただ、がんとの関連で、リスクを下げる、上げる可能性を指摘されているものはあります。野菜や果物はリスクを下げ、大腸がんには加工肉、胃がんには塩分の取りすぎがリスクを上げると言われています。

――サプリメントについてはどうでしょうか。

岩田さん がんを予防できるサプリというものはありません。逆に、サプリによって特定の成分を取りすぎることにも問題があります。例えば、肝臓病の患者さんが医師に相談することなくウコンを飲み続け、鉄分の過剰摂取となって肝機能が悪化したことがありました。近年、フェリチン(貯蔵鉄)が高値の肝臓病では鉄分を控えるように言われています。特に、何らかの病気を持っている人は、自己判断でサプリを飲むということは避け、専門家の意見を聞いてください。

――食生活の改善というと、真っ先にカロリーを考える人が多いと思います。

岩田さん 食の欧米化といいますが、実は日本人のカロリーの摂取量は近年あまり変わってはいないのです。変わったのは脂質の量です。カロリーとなるのは糖質、脂質、たんぱく質の3つでどれも大切ですが、食の欧米化により脂質を多く取りすぎる傾向にあります。この脂質の取りすぎが生活習慣病はもちろんのこと一部のがんにも影響しています。カロリーを考えるとき、同じカロリーでもその内容に注意することが大切です。

 和食の良さ

――昨年12月に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されました。和食の良さとはどういうところにありますか。

岩田さん 主食のご飯は炭水化物、主菜の魚は良質たんぱく質です。副菜には野菜を多く使いますが、この野菜は食物繊維が多く、糖質や脂肪の吸収を防ぎます。こうした多くの食材を使った和食の献立は栄養のバランスも取れるのです。

――バランスの取れた食事の用意はなかなか大変です。

岩田さん 難しく考えず、簡単に出来るメニューなど、工夫をしてみてください。三重大学病院広報誌にもレシピを掲載しています。また、こう食べなくてはいけない、というよりも、楽しんでゆっくりよくかんで食べることも大切です。料理を楽しむことは、消化吸収も助けるのです。

楽々レンチン!春サラダ!三重大学病院広報誌の連載レシピから、春らしさにあふれた簡単栄養レシピをご紹介。切ってレンジでチンするだけなので時間がない人にもおすすめ。【材料(2 人前)】カブ2個(150g)、パプリカ1/2個(60g)、アスパラガス4本(75g)、ツナ缶(水煮)1缶、塩・こしょう少々、ドレッシング大さじ1【作り方】1.カブは葉を切り落とし、皮をむいて厚さ5〜10ミリのイチョウ切りにする。パプリカはへたと種を取って適当な大きさに切る。アスパラガスは根元の固い部分を切り落とし、斜め切りにする。ツナはざるに上げ、汁気を切る。2.耐熱皿に1の野菜を並べ、塩、こしょうをして水を少々ふりかけラップをする。電子レンジ(600ワット)で3分加熱する。3.2を器に盛ってツナをのせ、ドレッシングをかけて完成

伊賀タウン情報YOU 2014年1月後半(620)号」より

   
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