1994年4月に発病した私の乳がんは、1センチ大のしこりで、痛くもかゆくもなかったのですが、病期は1期のC。主治医のK先生(大阪大学医学部付属病院=当時)には、「念のため、抗がん剤(錠剤)の服用を……」と勧められましたが、その頃大阪で新聞記者をしていた私は早期の職場復帰を熱望しており、早くがんと縁を切りたい気持ちで頭の中はいっぱい。結局、抗がん剤服用を断りました。
今の私だったら……、その場で服用を決め、早期のうちに完膚(かんぷ)なきまでにがんをたたきのめす道を選ぶでしょう。
早期発見・早期治療
乳がんはもちろんどんながんも、有効な手段は「早期発見・早期治療」に尽きるといって過言ではありません。なかでも乳がんは、早期治療の場合の治癒率が90〜95パーセントにのぼるとされるのですから、「機会を見つけて検診!」が正解なのです。
若年化進む
好発部位は4分割をした外側の上部で、時計の0時から3時と9時から12時の間、好発年齢は45歳から55歳。近年若年化が進み、19歳の患者さんも。
検査は、レントゲン撮影(マンモグラフィ)、その他の画像診断(超音波検査、MRI検査、CT検査)、穿刺(せんし)吸引(細胞診と針生検)など多数あって、病巣が確定されます。自己診断で見つけられるがんでもありますので、日ごろから両手の中3本指で丁寧に触って、機会を得て乳がん検診を。
非定形乳房切除術(大胸筋を残す手術)で左乳房を全摘出して15年目の私も、以来、年1回の検診を欠かさず、元気にしています。
広野光子さん ジャーナリスト、名張市がん・難病相談室専任相談員、がんを明るく前向きに語る・金つなぎの会代表