【日本選手権の優勝メダルを手にする伊藤選手=名張市鴻之台1で】

 6月上旬に大阪市内で開かれた「第106回日本陸上競技選手権大会」男子三段跳で16メートル57の記録で初優勝した、近畿大学工業高等専門学校(三重県名張市春日丘7)専攻科2年の伊藤陸選手(21)=菰野町出身=が27日、名張市役所を訪れ、北川裕之市長に優勝の喜びを報告した。

 同高専入学後、走幅跳の奈良県高校記録保持者でもある顧問の松尾大介准教授の指導のもと、本格的に跳躍競技に取り組み始めた。走幅跳との2冠を達成した昨年9月の日本インカレでは、日本歴代3位の17メートル00を記録し、30年以上破られていない日本記録(17メートル15センチ)に迫っている

 伊藤選手は今大会、2回目に跳んだ16メートル38の記録を破られることなく優勝を決め、最終6回目で16メートル57に記録を伸ばした。4月の日本学生個人選手権で右足かかとを傷めた後は、踏み切り足を逆にしての練習にも取り組み、しっかりとした踏み切りができるようになったのは大会の1週間前だったそうだ。

 「日本で17メートル台を跳んだ人は自分で3人目。17メートルをそろえて跳べるようになればもっと記録が伸ばせるはずなので、安定させていきたい」と語る伊藤選手を、松尾准教授は「自分の力量と状態を把握して臨めれば更に伸びていくと思う」と分析。大目標は2年後のパリ五輪に据えつつ、「高専生として最後になる日本インカレ(9月・京都)で良い記録を出せるように頑張りたい」と意気込みを話した。

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