【完成した絵本を披露する社員=名張市薦生で】

 身近な電気に対する興味を子どもたちに持ってもらおうと、電子部品メーカー「加美電子工業」(本社・大阪市)の名張工場(三重県名張市薦生)の社員でつくるグループが、絵本「でんきってなんなん?」を作成した。

 同社は、電源回りで使われるトランス(変圧器)やACアダプターなどの電子部品を製造し、インドネシアやマレーシアなど海外に主力生産拠点を展開。名張工場は、小ロット生産の他、検査や出荷業務を担っている。

 同工場では、事務や営業、技術職といった部署をまたいで構成される「企画会議」と呼ばれる社員グループがあり、同社のメールマガジンやSNSでの発信、展示会のサポートなどに携わっている。以前には、食品や動物を模したユニークなUSB充電器や、会社の公式キャラクター「KAMIセブン」を考案したこともある。

 昨春、同会議のメンバー6人が新企画を考える中、メルマガで続けていた「いまさら聞けない○○」シリーズを膨らませることに。「電気とは何か」という原点のテーマに立ち戻ろうと、誰にでもわかりやすい絵本を作ることに決めた。

 電気をつけっぱなしにして母親から怒られてしまった男の子が、電気とは何かを父親に尋ね、理解を深めていくストーリーで、発電所から電気が送られる仕組みや、同社が手掛けるトランスの役割などを、電子をキャラクター化した「でんしくん」のイラストを交えて解説している。説明文は専門用語を避け、全て平仮名でまとめている。

 同会議で座長を務める生産技術グループ課長の山中育哉さん(51)は「子どもにも理解してもらえるよう、メンバーで意見を交わしながら仕上げた。電気に関心を持ってもらい、エネルギーの大切さを感じて頂けたら」と話す。絵本は縦横21センチのスクエア判カラー26ページ。販売も計画中だ。

モニター募集

 同社では、絵本の販売に向け、読者モニターを先着30人で募集している。絵本を無料で送付する代わりに、読んだ感想を後日、同社宛てに送る。希望者は同社の専用メールアドレス(ehon@kamidenshi.co.jp)に住所、氏名を添えて申し込む。

 問い合わせは同工場生産技術グループの山中さん(0595・63・6067=直通)へ。

2022年6月25日付822号17面から

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