【すき焼きを作る森脇氏(左)と猫と戯れる北川氏(いずれも本人提供)】

 4月17日投開票の三重県名張市長選には、届け出順に、前市議の森脇和徳氏(48)と前県議の北川裕之氏(63)の無所属の新人2氏が立候補した。前回市長選にも立候補した2人の横顔を紹介する。

森脇和徳氏(48)

 市内の料理旅館の3代目に生まれ、大学卒業後は家業を継ごうと調理師免許を取得。県内のリゾートホテルで勤務後、地元に戻った。仲間とまちづくり活動に携わるうち、地域のさまざまな問題に直面。「居酒屋の隅っこでぼやくなら、自分が政治家になったる」と、33歳で市議に初当選した。

 前回市長選は「若さで突っ走ってしまった」と振り返る。4か月後の市議選では、トップ当選を果たした。2020年4月、学問として行政を学び直そうと、大阪市立大大学院に進学。他府県の行政職員や議員らとともに学び、刺激を受けた。「困難な財政状況下での課題と今後の目指すべき姿―名張市の事例―」と題した論文を書き、修士を取得した。

 現在は精肉店の社長を務めている。得意料理はすき焼きと肉じゃが。「作ると小学生の娘や妻が喜んでくれる。でもやっぱり、妻の手料理が一番」


北川裕之氏(63)

 市職員時代に「広報なばり」の制作などに携わった後、地元ケーブルテレビ会社に転職した。政治家を志したのは、太平洋戦争中に沈没した戦艦大和の元乗組員の父の影響や、北川正恭元県知事の「観客民主主義」「提案せず、批判だけするのはいかがなものか」といった言葉。44歳の時、県議に初当選した。

 前回市長選では、現職にあと一歩まで迫るも敗戦。「つらかったが、思いや政策が一定、共感頂けた」と手ごたえもあった。翌年、県議に復帰してからは副議長に就任した他、コロナ禍をきっかけに顕在化した差別問題の解消を目指す特別委員会の委員長を務め、条例案をまとめる役を担った。

 趣味は洋楽と謡曲。仲間と結成したバンドでは、今もボーカルを担当する。1年半前に実家に迷い込んだ野良の子猫と遭遇し、見過ごせず保護。妻や娘夫婦と一緒に飼い、愛情を注いでいる。

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