【出演者の赤樫さん(右)と大園さん】

 コロナ禍で中止になった三重とこわか国体・三重とこわか大会の開会式で披露される予定だった、式典演技の内容を収録・編集した映像が、昨年12月から三重県の特設サイト(https://tokowaka.pref.mie.lg.jp/)でオンライン配信されている。名張で生誕した探偵小説家・江戸川乱歩の作品「少年探偵団」を題材にした演劇作品で、公募で選ばれた少年少女役5人のうち、2人は伊賀地域在住だ。

 2人は伊賀市緑ケ丘南町の中学1年、赤樫日和さん(13)と名張市東田原の小学6年、大園千愛さん(11)。4月のオーディションで応募者83人の中から選ばれた。6月末から20分間の舞台に向け稽古がスタート。全員での稽古が少ない中、自宅で歌と演技の特訓を重ねたという。

 ところが8月下旬、国体開催の中止とともに上演も無くなった。落胆していたところ、9月上旬、「生の舞台は駄目だったが、映像に残す方向で進めていきたい」と主催者から報告を受け、新しい台本が送られてきた。コロナ禍での稽古はままならなかったが、2人は気持ちを一新、前向きに取り組んだという。

 少年探偵団を率いる名探偵、明智小五郎役を務める伊賀市出身の俳優、椎名桔平さんも合流し、10月下旬に津市の県総合文化センターでシーン別に収録されたものに、7月から撮影済みだった映像が加わった。

 2人は「椎名さんのオーラに圧倒された。役者としての完璧さを間近に見られて、すごい経験になった」と口をそろえる。式典演技は国体と炬火にまつわる物語で、「とこわか国体は中止になったけれど、これからも国体は続いていく。一人でも多くの人に国体や炬火の意味を知ってもらえたら」と視聴を呼び掛けた。

コンテストで優秀賞 ダンスチームの映像も

「アントニオ」の皆さん

 県の特設サイトで公開された映像には、7月にあった「とこわかダンスコンテスト2021」の高校生以下部門で優秀賞を受賞した7人のダンスユニット「ANTONIO(アントニオ)」と、小学生以下と一般の部でそれぞれ優秀賞を受賞した女子サッカー・なでしこリーグ1部の伊賀FCくノ一三重のチアダンスチーム「BLAST(ブラスト)」による、国体イメージソング「未来に響け」に合わせて作られた「とこわかダンス」のシーンも盛り込まれた。

 アントニオは伊賀地域で活動するダンススクール「jaka」(石橋朱里さん主宰)が母体で、今回のコンテストのために結成された。メンバーは、田畑千珠さん(18)、坂本琴羽さん(18)、倉石遼夢さん(18)、三永綾音さん(16)、八木愛隆さん(16)、村井彩莉さん(15)、西浦爽さん(14)で、いずれも伊賀地域の中学2年から高校3年生だ。「オリジナルの振り付けは難しかったけど、最後の『ハート』に注目してほしい」という。

「ブラスト」の皆さん

 ブラストは、伊賀地域や近隣府県の3歳から社会人約50人が所属。普段はくノ一の試合でパフォーマンスを披露する他、福祉施設への慰問や地域のイベントなどにも参加している。コンテストには小学3年から6年のキッズチーム8人と、大人を含む中学2年生以上の一般チーム8人が参加した。

 映像は8月に伊勢市内でドローンを使って撮影。アントニオのメンバーたちは「せっかく組んだユニットで仲も良いのでこれからも何かできたらいいな」「最後の振り付け、ハートの部分に注目して見てほしい」と笑顔。ブラストのメンバーたちは「笑顔で手拍子しながら楽しく踊った」「アクロバティックな技を採り入れていているので、注目してほしい」と話した。

2022年1月15日付811号12面から

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