忍者の食べ物 その弐

ニンニクやニラ、酒
体臭を嫌い 控える

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 食べ物について忍者には独特の教えもあった。忍び込む時の用心として、臭いで敵に気づかれるのを恐れた忍者は、ニンニク、ニラ、ネギ、肉類は体臭が強くなるので食べないようにしていた。たばこも同じ理由で吸わなかった。  よく寺で「葷酒(くんしゅ)山門に入るを許さず」という看板を見かける。この「葷」とは食べると力が湧くニンニク、ニラのこと。「酒」は僧の修行の妨げになる。これらは体臭、口臭がするので「不浄だ」として禁じられていた。忍者も忍び込む前には「葷酒」を戒めた訳だ。さらに衣服をよく洗濯し、風呂にもよく入って臭いを消す努力をした。  ただ、いつも食べないようにしていたのではない。忍び込む前以外は、体力をつけるために食べることもあった。動物の肉はなるべく食べないようにし、人間から遠いものである植物が良いと教えていた。

菜食主義に徹することで
霊感、ヤマ感、第六感を

 また、菜食主義に徹することにより、忍者は「カン」の働きを強めた。「カン」とはいわゆる霊感、ヤマ感、第六感のことで、この「カン」を大切にした。例えば、今日は忍び込もうと思っていたが、「何やら悪い予感がするので止めておこう」とか、「この戸の向こう側には仕掛けがあるような感じがするから違う戸から入ろう」などという「カン」による判断だ。命懸けの時代に生きた忍者は「カン」で命拾いをしたことも多かったのだろう。

ウズラの卵を好んだ
鶉隠れ術 威力発揮

 忍者は特にウズラの卵を好んだという。ウズラのように丸まって隠れる「鶉(ウズラ)隠れ」という術もある。ウズラの卵を食べればこの術はより威力を発揮したという。男性の睾丸がウズラの卵の大きさより大きくなっていると、体力が衰えた証拠だとして健康状態の目安にもしていた。 

ダイエット食

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 忍者の外見はいたってスリムだった。天井裏や床下などの狭い所に忍び込んだり、機敏に動き回ったりするには細い体が要求されたからだ。  いかり肩になったり、骨盤が出っ張ったりしないような体型づくりにも心掛けた。ガッチリ体型の大男では目立つし、いざという時、標的になりやすいからだ。聖徳太子に「志能便(しのび)」として仕えたという甲賀の人(伊賀の人という説もある)大伴細人(おおともの・ほそり)がいる。その名が体形からそう呼ばれたという説もある。おそらく普通の人より目立って細かったのかもしれない。

体重制限があった 約60キロ超を戒める

 忍者には体重制限があった。米俵一俵の重さ(約60キロ)を超えることは戒められていた。なぜ米俵が目安なのか。忍者は日頃、米俵を親指と人差し指の2本で持ち上げる訓練をしていた。天井に張り付くのに必要な力をつけるためだ。つまり、自分の体重を米俵以下に保っていれば、片手でもしっかりと天井にぶら下がることができるという訳だ。すごい指の力だ。石垣をよじ登ったり、敵と素手で戦う武術にも指の力の鍛練は欠かせなかった。  忍者は、いつもスマートな体形を維持するよう食べ物にも注意していた。太らないようにするには食べ過ぎないのが基本。だが、忍者は太りにくい体質をつくるようにも心掛けていた。それにはハト麦を食べた。食べ方はいろいろあるが、餅にして食べることが多かったようだ。玄米も、現代人がよく食べる白米に比べ脂肪化しにくいので太りにくい。便秘も解消する。

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