
名張市教育委員会は、市文化財調査会から答申を受けていた江戸時代の書跡「村部家旧蔵田中文兵衛知行文書」を3月9日付で市の文化財に指定したと発表した。同文書は名張藤堂家の祖、藤堂高吉から家臣に発給されたもので、同家の内政を知る貴重な資料。市内の指定文化財としては76件目となる。【文化財に指定された「知行文書」の1通目】
市教委生涯学習室によると、同文書は江戸時代初期の1637年から53年にかけ、高吉から家臣の田中文兵衛へ与えられた。文兵衛は晩年、高吉から「村部次左衛門」の名を授かり、村部家は幕末まで8代にわたって名張藤堂家に仕えたとされている。
文書は3通あり、奈良県内に住む村部家の子孫から市へ2007年に寄贈。文書からは、藩主が家臣に村を指定し、その村からの年貢を家臣の収入とする「地方知行(じかたちきょう)制」をとっていたこと、現在の名張市や松阪市にあった村を給付されていたことなどが読み取れるという。【写真右=「知行文書」の2通目(上)と3通目】
※写真提供:いずれも名張市教育委員会