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2017/05/26
伊賀の話題: 総合 : 

「ゆっくり、ぼちぼち」迎える夫婦

 本を通じて人々が集まれる場「まちライブラリー」の活動に共感した夫妻が、定年をきっかけにライブラリーを備えたカフェを名張市つつじが丘北2番町に開設した。「ゆっくり始めて、ぼちぼちいこか」の精神で、訪れる人たちを迎えている。【来店を呼び掛ける中井さん(右)と和代さん=名張市つつじが丘北2番町で】

 まちライブラリーはいわば犹篝濘渊餞曄鼻B澆圭个綱椶縫灰瓮鵐箸鮟颪込み、借りた読者が新しいコメントを書いてつながっていく仕組みで、本の貸し出しは無料。2011年に大阪で始まり、全国の個人宅や飲食店、病院、老人施設などさまざまな場所に広がりつつあるという。

 定年後の人生をどう過ごすか考えていた同市布生の中井道昭さん(61)、和代さん(58)夫妻は、2、3年前に活動を知り、興味を持った。「本があってお茶が飲める場所を作ろう」と考えた中井さんは、自分のリズムで生活や仕事ができたらと、昨夏、ライブラリーを備えたカフェの開設を決めた。

 コーヒーや紅茶、スイーツ作りなど、カフェの世界を勉強すると同時に、店内のカウンターや本棚なども手作りし、今春、念願のカフェ「どんぐり」をオープンした。まちライブラリーの開設は県内では2か所目となる。

 店内には、娘や母が手作りした小物、父の書などに加え、寄贈本も含めた約430冊の蔵書を並べている。まだ手探りの状態だが、中井さん夫妻は「ここでゆったりしてもらい、本を通じてつながりができていくのが楽しみ」と笑顔を向けた。 問い合わせは同カフェ(0595・48・5211)へ。


2017/05/26
伊賀の話題: 総合 : 

伊賀市・中森さん

 手編みのぬくもりを届けたい―。伊賀市上野田端町の中森巳貴さん(37)が手作りする、編みぐるみの動物やアクセサリーが評判を呼んでいる。6月には名張市内である展示会にも出品予定だ。【作品を紹介する中森さん=伊賀市上野田端町で】

 幼いころ、祖母がさまざまな編物を作っていたのを見て興味を持った。中学生になると本などを参考に作り始めたものの、いったん中断。20代で再開し、9年ほど前からは展示会にも出品するくらい制作に打ち込んだ。

 かぎ針を使って丹念に編み、動物なら中に綿を詰め、表情も可愛く完成させる。作品はピアスから15造曚匹瞭以まで大小さまざまで、依頼されて作るうちにレパートリーが増えた。最近はオーガニックの綿糸で、赤ちゃんのガラガラを作っていて、今後ベビー用グッズも増やしていく予定だという。

可能性広げたい

 「これからもいろいろな編物に挑戦して、可能性を広げていきたい。展示会ではたくさんの人に知ってもらえたら」と話した。

 中森さんが出品する「第19回手づくり作家展」は、6月3(土)、4(日)の両日、名張市南町の名張産業振興センターアスピアで開かれる。会期中は多彩な作家の展示や販売を始め、音楽ライブなどもある。午前9時から午後5時(4日は同4時)まで。入場無料。

 同展の問い合わせは名張シンクス、山下さん(070・5441・7917)まで。


2017/05/26
伊賀の話題: 総合 : 

「更なる探究に期待」村上さん 伊賀・蓮明寺

 伊賀市上神戸の山腹に位置する寺院「蓮明寺」と地元の歴史について、同寺の法務を担当する村上茂之さん(69)(大阪府豊能町)が、郷土史や住民への聞き取りを基にまとめた書籍「蘇る天平の浪漫」を、このほど文芸社から出版した。【出来上がった書籍を手にする村上さん=伊賀市上神戸で】

 蓮明寺は奈良時代中期から後期、称徳天皇の勅願寺として興福寺の学僧・玄賓僧都が開いたと伝わる。かつては「阿我八坊」と呼ばれた8つの支院も存在したが、近年は無住で、天正伊賀の乱(1581年)以前の資料はほとんど残っていないという。

 村上さんは地元の豊中市役所を退職後、縁あって2011年から同寺の法務を担当。同寺を月数回訪れ、寺がある我山地区を中心に、さまざまな言い伝えや文献に出会っていくなかで、「これまで連綿と続いてきた歴史が消えてしまわないよう、伝承とわずかな資料を頼りに再現していく使命がある」と一念発起した。

 最もよりどころにしたのは、伊賀地域に残る口伝を集めたガリ版刷りの郷土史「さんぽ路」(吉住勘元著)。大海人皇子(天武天皇)がおいの大友皇子(弘文天皇)と皇位を争った「壬申の乱」(672年)の前哨戦がこの地であったこと、開祖の玄賓僧都と桓武天皇、道鏡らとの関係などについて、自身の推論も含めて記している。

 村上さんは「ようやく後世に伝えていけるものができた。蓮明寺や伊賀地域の歴史などに興味を持つ人が増え、史実の更なる探究が進んでほしい」と願っている。
 四六版148ページで1404円(税込)。文芸社ウェブサイト(http://www.bungeisha.co.jp/)やインターネット通販などで購入できる。


2017/05/26
伊賀の話題: 総合 : 

 児童・生徒がいじめについて考え、笑顔あふれる学校生活を送ることなど目的とする「いじめ防止標語コンテスト」で、名張市立桔梗が丘南小学校2年の深山蒼司君(8)(同市桔梗が丘5番町)=写真(左)=の作品が全国賞に選ばれた。

 同コンテスト実行委員会が主催、県PTA連合会などの共催で、今回が10回目。全国から約5万点が寄せられた中から全国賞など30点が選出された。

 深山君の作品は「こころがないている、みらいの自分がないている、いじめてもかなしくなるよ」。「友だちの気持ちが分かる人になりたいと思って一生懸命考えて作った」そうで、受賞の連絡を受けた時は「びっくりしたけど、すごくうれしかった」とニッコリ。

 3月に東京であった授賞式に一緒に参加した母親の愛子さんも「本当に信じられなかった。今まで真剣に親子でいじめの問題を考えることがなかったけれど、今回の出品をきっかけに親子で一緒に考える時間を持てたことが良かった」と話した。


2017/05/26
伊賀の話題: 総合 : 

ロケット発射台にも オキツモ株式会社

 世界のトップシェアを勝ち取った田舎の小さな工場の奇跡―。1945年の会社設立から70年を期に、名張市蔵持町芝出にあるオキツモ株式会社の山中重治(しげはる)社長が昨年、著した書籍のタイトルだ。「耐熱塗料」の分野で世界市場をリードしている同社の開発力を学ぶため、営業企画部の大地正浩部長(55)に話を聞いた。

 同社は鋳物ストーブの耐熱塗料から事業をスタートした。「耐熱塗料は熱くなる物を美しくしたり、さびを防ぐものです。物が熱せられると酸化が激しくなり非常にさびやすくなりますので、耐熱塗料を塗っていなければストーブも穴が開いて製品寿命が短くなるし事故にもつながります」と大地部長。

 普通の塗料の原料がアクリル樹脂やメラミン樹脂であるのに対して、耐熱塗料は主にシリコーン樹脂や鉱物でできた無機顔料を使っており、熱にも強く、剥がれにくいという。【耐熱インキを使った配線基板を紹介する大地部長=名張市蔵持町芝出で】

 会社設立当時、大阪から名張に戻った創業者・山中重治(しげじ)さんは、都市近郊に工場を構える塗料のライバル他社とは地理的なハンデが大きく、同じ物を作っていては勝負にならないと考えたという。

 「『魔法の粉』と言われたシリコーン樹脂が注目され始めた時でもあり、鋳物ストーブの受注をきっかけに耐熱塗料の開発に着手しました。当時としては新規でニッチな市場でしたが、オンリーワン技術で挑戦するというスタンスは、現在も当社のDNAになっています」

 「okitsumo」ブランドの耐熱塗料は、国内シェアが50%を超える。自動車用部品や二輪車のマフラー、ホットプレートなどの家電製品、工場プラントなど、その用途は幅広い。中でも同社がJAXA(宇宙航空研究開発機構)に採用されているのが種子島のロケット発射台に使われるものだ。ロケットエンジン噴射による3千度の高温に耐える耐熱塗料で、同社の技術力の高さを実証している。【工場内の天井の一部には個性的な塗装が施されている(提供写真)】

 同社は「耐熱」だけでなく、熱をコントロールする塗料を続々と開発している。例えば「放熱塗料」は、表面の輻射(ふくしゃ)率を最大限に上げて放熱することができ、LED照明の裏側に使うと熱を逃がすことができる。

 また「遠赤外線塗料」は、暖房機の暖房効率を上げたり、調理器具では遠赤効果で食品をおいしく焼くためにヒーターに塗布されている。更に「光触媒塗料」は、ビルや工場の壁に塗ると紫外線に反応して汚れを分解し、外観を奇麗な状態に保つことができる。「この技術はTOTO株式会社と共同開発したもので、世界に発信しているところです」

 同社は、名張市の本社・工場と大阪、名古屋など主要都市にある3営業所を含めて、従業員は約160人、年商は約40億円。従業員の3割強が技術者という開発志向の会社だ。また海外には中国、タイの3工場とアメリカ、スペインなどに4販売拠点があり、全社では従業員が約400人、年商は約70億円に上る。2020年には全社で100憶円を目指している。

注目される潤滑塗料

 最近のトピックとしては「潤滑塗料」がある。フッ素などの個体潤滑剤と樹脂を配合して被膜化したもので、「よく滑る塗料」だ。高温の環境でもべとつかず、メンテナンスフリーでもあるため、自動車部品や機械部品などの潤滑油やグリスの代替品として注目されている。【新分野の柱と位置づけているメタマテリアル放熱材(右)】

 次に「耐熱インキ」だ。「今まで耐熱性のインキは世の中にありませんでした。これからの自動車では電子部品の数も膨大で、エネルギーの発散量も多く、耐熱性のあるプリント配線基板が求められていました。そこで耐熱塗料のノウハウを生かし、プリント配線板の表面を覆い、回路を保護するインキを開発しました。当社には印刷のノウハウもなく、開発には苦労を伴いましたが、リスクを恐れず挑戦した結果」と大地部長。

 今後の生き残り戦略については「市場のニーズより一歩先んじた潜在ニーズをキャッチすること、誰もまねのできないオンリーワン技術を持ち続けることです」と力強く話した。


2017/05/12
伊賀の話題: 総合 : 

自宅で庭園鉄道 柘植駅風のジオラマも 名張市百合が丘 田中強一さん

 鉄道愛が“ハンパない”!? 自宅庭に鉄道を走らせ、道行く人を和ませている、名張市百合が丘東の自営業、田中強一さん(57)。仕事場も、電車が間近に感じられる駅の側に構え、公私とも鉄道に囲まれた生活を満喫している。【庭園鉄道を走らせる田中さん=名張市百合が丘東で】

 中学1年の時にやってきた「SLブーム」。大阪に住んでいた当時、近くのJR平野駅で蒸気機関車「伊賀号」を撮影したのをきっかけに鉄道に魅せられた。中学2年の終わりには、鉄道ファンの友だち3人で九州まで大冒険。その時の感動や写真は、今も田中さんの宝物だという。

 高校進学後も中部や近畿の鉄道を乗りに出かけたが、大学進学、就職などで鉄道から遠ざかった生活が続いた。ところが名張へ越してから数年経った約20年前、長男が英国のアニメ「きかんしゃトーマス」のファンになったのを機に鉄道愛が再燃。以来、家族旅行には必ずSLに乗るプランを盛り込んだ。【柘植駅をイメージしたジオラマ】

 成長した長男は鉄道に関心を持たなくなったものの、田中さんの鉄道愛は加速。近畿、中部のJR路線をほぼ制覇したのを始め、7年ほど前には、窓のないトロッコ電車のような「パッフィンビリー鉄道」に乗りたくてオーストラリアにホームステイ。韓国を鉄道で南北縦断(ソウル‐プサン)、香港の2階建て路面電車に乗るなど、海外旅行も全て鉄道中心だ。

 現在、自宅には約13年前から2、3年かけて作り上げた、JR関西線の柘植駅をイメージしたオリジナルのジオラマ(奥行90センチ、幅225センチ)が一室を占拠している。更に、約10年前には5メートル四方のドイツ製庭園鉄道を庭に設置した。

 「日本の車両が輸出された東南アジアの電車を始め、まだ乗ったことのない鉄道に乗りたい」と夢を語る田中さん。「『鉄道写真館1972年〜』というホームページも開設しているので、そちらも楽しんでもらえたら」と鉄道愛を語った。


2017/05/12
伊賀の話題: 総合 : 

 今年の母の日は5月14日(日)。読者の皆さんは、どんなプレゼントやサプライズを用意していますか。大切な「お母さん」だからこそ、年に1度は感謝の思いを伝えませんか。【長女からの手紙を手に笑顔の横江さん】

 名張市緑が丘中の会社員、横江絵里香さん(29)が今も大切にしているのは2年前に子どもからもらった手紙だ。

 横江さんは小学2年生の長女と1年生の長男を女手一つで育てるシングルマザー。職場の机には、長女が字を書けるようになったばかりのころにもらった手紙が置いてある。左右あべこべになった文字でつづられた文面は「ままいつもありがと」。「見れば元気になる私の原動力。母の日に2人で何か準備してくれているみたいで楽しみ」と語った。



 メッセージを添えた花の贈り物は母の日の定番。母の日に向け、伊賀地域の園芸店でも、色とりどりの切り花や寄せ植えが並ぶ。最近では定番がカーネーションからアジサイに移りつつあるという。

 アジサイの人気の理由は日持ちの良さ。開花時期も長く、切り花でも数週間持ち、地植えすることで毎年咲き、長く楽しめる。フラワーアレンジメントやプリザーブドフラワーも人気だという。

 伊賀市四十九町の園芸店「マエダ園芸イオンタウン伊賀上野店」の笠井智史さんは「地植えしたり、切り花やアレンジメントで楽しんだり、お母さんを思いながら選ばれる方が多いですね」と話した。


2017/05/12
伊賀の話題: 総合 : 

伊賀からスペイン 州選抜で全国V経験

 プロを夢見て小学6年生でスペインに渡った伊賀市上野田端町出身の岡田祥慶選手(19)が、20歳以下の日本代表として5月16日(火)からバンコクで開かれる「AFC U‐20フットサル選手権」に出場する。18歳の時にはユース世代のカタルーニャ州選抜メンバーとして全国優勝した経験もあり、次はアジアの頂点を目指す。【アジア大会に向けた代表チームの直前合宿で調整を続ける岡田選手=名古屋市港区で】

 現所属チームは昨年6月に加入した23歳以下が中心の名古屋オーシャンズサテライト。岡田選手は164造半柄だが、両足ともに狙えるシュート技術やサイドでの仕掛けが持ち味で、代表候補合宿への参加を経て最終メンバー14人に選ばれた。

次はアジアの頂点へ

 サッカーからフットサルに転向したのは15歳の時で、バルセロナ市内にある強豪「レスコルツ」で技を磨いた。州選抜チームではライバルのFCバルセロナに所属する選手らとともに19歳以下のスペイン全国選手権でチャンピオンに輝いた。

 代表チームは大会直前まで国内合宿を行ってから現地に移動。アジア大会には21の国と地域が出場し、日本は予選でベトナム、台湾、タジキスタン、インドネシアと対戦する。

 岡田選手は「予選から100%以上の力を出して、チームの勝利に貢献できるよう準備したい」と抱負を話し、フル代表のコーチでスペインでのプレーや指導の経験がある鈴木隆二監督(38)は「育成年代からスペインでずっとやっていて、他の選手には出せない前への推進力という特長を持っている。その力を出してほしい」と活躍を期待した。


2017/05/12
伊賀の話題: 総合 : 

15日まで展示会 水口婉子さん

 伊賀市上野丸之内の水口婉子さん(88)の切嵌(きりばめ)細工コレクション展」が、5月11日から15日(月)まで同市上野忍町の武家屋敷赤井家住宅で開かれる。入場無料。【切嵌の作品を紹介する水口さん=伊賀市上野丸之内で】

 水口さんは教職を退いた後、趣味のちりめん細工の研究と制作に取り組み、古作の復元・創作に意欲的に取り組んだ。特に下絵を和紙に映し取り、裏返して型紙として使用する伝統技法「切嵌細工」の習得や、型紙・作品の収集にも力を入れている。1996年には三重県文化奨励賞を受賞し、現在も市内外で指導に当たっている。

 昔の布を使い、型紙から起こして復元した作品や、型紙集も数多く収蔵している。更にこのほど、県立博物館に切嵌のコレクションが収蔵されることになった。

素晴らしい女性の技

 今回の展示には、自作を含め、収集したカヤ袋などの袋物やふくさ、小物など約30点が並ぶ。型紙も展示予定で、小物作品の一部は販売もある。時間は午前9時から午後5時(最終日は午後4時)まで。

 水口さんは「美意識や技術の高いふくさや袋物が、蔵などに眠っていることもあると思う。昔の女性の技で素晴らしい細工物があったんだなと見て頂けたら」と来場を呼び掛けている。

 作品展の問い合わせは伊賀市文化都市協会(0595・22・0511)へ。


2017/05/12
伊賀の話題: 総合 : 

全自動の鍛造プロセス

 「自動車を始め産業機器、航空機など多岐にわたる業界で、回転するもの、スライドするものに使われているベアリングですが、表面には出てこない部品ですので一般にはあまり知られていません」。光洋メタルテック株式会社本社・上野工場(伊賀市佐那具町)の井上賢治取締役(58)は、そう話を切り出した。【一貫生産の製造ライン】

 同工場は1966年に岸和田鍛造株式会社として設立され、70年に現在の地で操業を開始。2002年、3社が合併して現在の社名に変更した。車両の進行方向を制御するステアリングを生産している伊勢工場(伊勢市)とともに同社の2大工場の一つで、同じ敷地内に本社機能もある。

 約250人(うち女性約30人)が在籍し、伊勢工場を含む全社では約450人、年商は133億円。20年には150億円を目指している。【事業拡大への熱意を語る井上取締役】

 上野工場では主としてベアリングの製造を担当し、親会社のジェイテクトなどに納めている。

一貫生産が大きな強み

 工場に入ると、ベアリングの材料である特殊鋼が整然と積まれている。直径32ミリから110ミリ、長さが7メートルあり、納入先によって含まれる金属成分が異なり、後工程の加工条件も変わるという。

 特殊鋼はまず一定の長さに切断される。その後、加熱して軟らかくしてから「鍛造」工程へ。「鍛造」とは昔の鍛冶屋のように、金属を圧縮(プレス)したり、引き伸ばす(ローリング)こと。大小さまざまなプレス機が並んでいる中、ひときわ目につくのは、加圧力3000トンの巨大プレス機。高さ10メートルを超える迫力に圧倒される。

 加熱されて赤銅色になった材料がプレス機で餅のように押しつぶされ、成形された後、中心に穴を通す。「以前は、人の手による危険な作業を伴った工程でしたが、現在ではほぼ全自動で行っています」と井上取締役。

 この後、数工程を経て軸受け部を回転させながら削る「旋削」工程へ。最後に、人の目と自動機による外観や品質の検査を行い、納入先に出荷している。【開発担当者と渡邉グループ長(右)(提供写真)】

 部品の切断から鍛造、旋削、検査まで、同業他社の多くがその中の一部の工程を担当しているのに対して、同社は一貫した流れの生産システムを構築しており、これが大きな強みになっているという。

生産工法で受賞

 昨年10月、トヨタグループの愛知製鋼から、取引メーカー約400社の中で同工場の生産工法が「VA(価値創造)事例」の金賞を受賞した。受賞したのは「複雑形状、薄肉の鍛造品の工法開発」で、自動車のトランスミッションに使われる部品の鍛造ラインにロボットを導入するなどして工数を大幅に削減。月1千万円のコスト削減を果たし、納入先の経営に大きく貢献したものだ。

 この工法開発で表彰された一人、営業・生産管理グループの渡邉健二グループ長(39)は、「若い担当者が約半年間にわたり、同業メーカーをベンチマークし、試行錯誤しながら開発を進めてくれました。私は旗振り役です。強い意志をもって提言すれば、何でも挑戦させてくれるのが、当社の気風です」と話す。

 同工場では女性の活躍も目立つ。同グループの菊田和美主任(54)=写真=は「女性の多くは、結婚して子どもを産み、産休を取得してから復職し、育児しながら勤めています。また女性がチームリーダーとして班長職のポジションに就くケースも出ています」と話す。「伊賀地域には会社が多く、人手不足の状況ですので、女性に永く勤務していただくシステムを作っています」と井上取締役。

 工場内には昨年、2つの新設ラインが導入された。「新しい顧客を開拓し、それに伴う設備を入れ、最適な工法を開発していく。そうした努力をしながら、更に第3、第4のラインを増設していきたい」。井上取締役は、更なる事業拡大への熱意を語った。


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