3世代の卒園生 双子のように誕生し、76年の歴史をともに歩んできた伊賀市立しろはと幼稚園(中森良子園長)と同ふたば幼稚園(吉藤綾子園長)が、3月24日(水)の卒園式でその歴史に幕を閉じ、4月から「桃青の丘幼稚園」として生まれ変わる。それぞれの園の思い出と、3世代にわたり卒園した家族を紹介する。
しろはと幼稚園今岡さん家族 1934年4月、しろはと幼稚園は上野町立第一幼稚園として同市上野伊予町に、ふたば幼稚園は第二幼稚園として上野紺屋町に設立。48年に現在の園名に改名された。
しろはと幼稚園は、園庭が広く遊具も充実しているため、幼児から中学生まで公園代わりに親しまれてきたという。近隣のいきいきサロンの利用者と園児との交流会も盛んで、「子どもたちの声が聞こえなくなるのが寂しい」と閉園が惜しまれている。
園庭にある名物のビワの木は、約15年前、園児が弁当に持参したビワの種を植えたもの。約10年前からたわわに実をつけるようになり、園児のおやつとして人気があった。
同市緑ケ丘南町の会社員、今岡貴司さん(37)は、同居する父親と妻、3月に卒園する長女の優衣ちゃん(6)と家族3世代4人が卒園生。「次女の未早綺も思い出が詰まった慣れ親しんだ園舎に通わせたかった」と話す。
園舎の今後は未定だが、2008年に三重交通の協力を得て、園児たちがペイントしたバスを3月初めの「さよなら会」で再度描き直すそうだ。【思い出深い園舎に集う今岡さん家族=伊賀市上野伊予町で】
ふたば幼稚園山本さん家族 ふたば幼稚園は市の中心地に設立され、多くの園児を輩出した。07年に耐震強度の基準に満たないため、同市平田の大山田西保育園の旧園舎に移転。片道約20分かかる場所にもかかわらず「自然豊かな同園に通園させたい」という保護者の声が高かったそうだ。引越しの結果、園庭で地域の人の指導のもと、菜園作りを実施し、土と人の温かさに触れる体験ができたという。
06年に保護者の父親の有志で組織された「おやじ組」が建てた“おやじハウス”は園児たちのお気に入りで、以前の園が公園になる際に、ふたば幼稚園のシンボルとして残される予定だ。
同市上野徳居町の山本悦郎さん(73)は、息子と2人の孫とともに3世代そろい同園の卒園生。孫の花恵ちゃん(6)だけが平田の園舎で卒園する。「思い出はいっぱい詰まっているが、園がなくなるのは仕方がない。時代の流れには逆らえない」と山本さん。【旧園舎の前で集う山本さん家族=伊賀市上野紺屋町で】
両園では、昨年11月と今年1月に、新年長児の交流会を実施し、4月の統合に向け園児たちが早くなじむように配慮している。両園の園長は「子どもの思いを大切にする教育を続けていく」と力強く語った。