話 題
本紙最新(419号)記事
話題   1 / 2 / 3 / 4 / 5
  バックナンバー
  HOME

▼表示説明
:新データUP
:新メニューUP
本紙YOUに掲載された記事をWeb上でも紹介!

IGA Town news Space report (Ver.386)

「伝統工芸の灯を消したくない」

茶袋の復活に乗り出す

山添村 石川芳雄さん
 「伝統工芸の灯を消したくない」と、かつて竹細工の産地として全国に名を馳せた奈良県山添村で「茶袋(ちゃんぶくろ)」の伝承に唯一人取り組んでいる人がいる。同村中峯山の石川芳雄さん(83)がその人。
  茶袋は、米の生産量の少ない大和高原で米の消費を極力抑えるために盛んに食べられていた茶粥(かゆ)の調理に欠かせない調理道具だった。茶袋は小さな竹製のかごで、その中に番茶を入れて米と一緒に釜で煮ることで香ばしい番茶の香りが食欲をそそったという。
  石川さんは60歳の定年までは地元の郵便局に勤務する公務員だった。数十年前まで中峯山のある波多野地区は竹細工の産地として知られ、各家では農閑期を利用して調理道具や農作業に使う竹製品を盛んに生産していた。
  石川さんは亡祖父の徳松さんや亡父の藤太郎さんが竹細工を作る工程を見て育ち、ごく自然に製法を身につけていたことから、定年後、地元民からの要望に応え、20年余り途絶えていた茶袋の復活に乗り出した。

●国内で唯一

 材料は、近隣の竹やぶから毎秋切り出す5メートルもある真竹を使う。竹を幅1・5ミリ、長さ5メートルのヒゴに割き揃えることが一番のポイントだ。そのヒゴを6本の芯にからめながら半球状のミニかごに編み進め、仕上げに竹で縁をかがる。かぶせる上部のミニかごは口の部分がひとまわり大きめで、使用すると水分を含みはずれることもなく、茶がよく煮出せるそうだ。
  石川さんの作る茶袋は毎日使っても3年はもつ。「今年は体と相談しながら20〜30個は作りたいですね」と石川さん。国内で唯一人の茶袋の継承者となったことについて、「これも時代の流れで仕方ありませんが感慨深いことです」としみじみ語っていた。

→話題一覧
Copyright(c)2003 YOU Co.,Ltd. ALL right reserved.