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▼『声』 410▼


■名張市立病院---誰のための市立病院?

〒…3月前半(13日発行)のYOUで市立病院についての投稿を読み、私も同じ体験をしたので、今回投稿させていただきました。
  確かに、市立病院は2次かもしれませんが、誰のため、何のための病院かを考えていただきたいと思い、私も手紙を書く気になりました。

 3月3日午後7時、1歳の子どもが40度の高熱を出し、応急診療所もまだのため、市立病院に電話をしました。一日中39度以上の高熱が出ていること、坐薬を入れても下がらずしんどそうな事、水分、食事も摂れておらず、尿量も普段より少ない事も伝えました。
  しかし、電話に出た看護師は、「先生が不在ですから坐薬を入れても体温が1度か下がらないのは当然な事です。心配ですか。応急診療所に行って下さい」との返答でした。

 電話を切り、応急診療所の開くのを待っている間に、子どもはけいれんを起こし、上野の某総合病院に電話をし、快く診ていただき、「今日は一晩、僕が責任を持ちますのでいつでも来て下さい」と医師からの優しい心温まる言葉もいただき、安心して家に戻ることができました。
  確かに、市立病院は2次かもしれません。でも夜8時までの間、かかりつけもいない時は、どこにいけばいいのでしょうか?
  容体の変わりやすい小児に対して、あまりにもひどい対応ではないでしょうか?

 今回、子どもはけいれんを起こしました。もし、命に関わることが起きた場合は看護師が責任をとってくれるのでしょうか? 看護師が患者を断るということは病院側が指示していることなのでしょうか?
  某総合病院は小児科医が1人ですが、夜間も診てくれるのです。何のための市立病院なのか、誰のためなのか、もう一度考えてほしいのです。
  小児で応急診療所が開いていないため、電話をしても「小児科医不在なので」と断られているケースは多いのです。このことに目を向けて欲しいのです。
  木曜日の午後から夜8時まではせめて市立病院で診ていただきたいと思います。「2次だから、まず1次に」と言って逃げるのではなく、1次の病院が開いていない時のことを考え、市民のための病院になってほしいと思います。

 母親たちの市立病院に対する不満は夜間の対応に対して多くあるのですから、病院からの返答をお願いします。
(名張市、女性)

地域小児医療センター 設置についても検討中

(名張市立病院医事相談室より回答) 貴重なご意見をいただきありがとうございます。
  小児科の外来診療受付時間外の対応につきまして、平成17年3月13日付(YOU第407号)で回答させていただきましたところ、新たにご意見をいただきました。

 前回の回答のなかで、市民の皆様が急病になられた時の診療受付時間外の対応につきまして、名張市では救急医療を効率的に運用するため、1次救急(救急車を呼ぶほどでもないが、家で様子を見ているのには心配な場合)は、地域の開業医や応急診療所、2次救急(救急車による搬送患者や紹介患者などの重症患者の場合)は市立病院と、それぞれの役割分担への市民の皆様のご理解とご協力をお願いさせていただきました。

 市民の皆様もご承知のとおり、全国的に小児科勤務医の不足が深刻化しております。名張市立病院の小児科も医師二名で診療を行っており、24時間365日常に待機することは困難なため、夜間・休日は緊急時のみの呼び出しとなっておりますが、救急業務明けの時は32時間連続して通常診療業務をこなしている状況でございます。

 さらにこうした中、市立病院の小児科医につきまして、医師を派遣している三重大学から、大学医学部小児科における医師不足と小児科医師の過重労働などにより、派遣医師の減員(平成17年7月から、二名の医師の引き上げと日替わりによる医師一名の派遣)などについて申出がありました。

 こうした状況を打開するため、市立病院では、1次・2次の役割分担の強化など、市民の皆様のご協力をいただいているところでございますが、非常に厳しい現状にあります。

 一方、医師の派遣依頼について、他の大学病院などに要請を行ったり、また、伊賀地区全体の問題として、伊賀地域救急医療対策協議会において小児救急・入院の拠点となる「地域小児医療センター」の設置についても検討を致しているところでございますので、なにとぞ市民の皆様のご理解ご協力をお願いいたします。

 また、応急診療所は診療科目としては内科・小児科で、名賀医師会・名賀保険薬局会の協力を得て365日行っており、ご協力いただいているお医者さんは地域で開業されている方々で、診療後の時間やお休みの日に順番で応急診療所での診療に携わっていただいています。

 このような中、応急診療所においても内科・小児科の先生方だけで365日を当番していただくことは極めて難しいのが現状ですので、ご理解の程よろしくお願い致します。

 小児科医療の一層の充実を図るため、平成17年度から名賀医師会の協力を得て、応急診療所に従事していただく先生方などを対象に、小児科医療の研修を実施して頂くことになっており、今後とも診療の場においては家族の方が不安を抱くことがないよう充分な説明をさせていただき、安心してお家でお子さまを看ていただけるようにしていきます。

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■上野総合市民病院 対応ちぐはぐ柔軟な体勢で

〒…さる2月27日(日)の昼間のことです。上野に滞在中の子どもが急に発熱し、測ると38・5度、折りしもインフルエンザ流行の真っ最中。救急に連絡すると、その日は上野総合市民病院が開いているとのことでした。手順通り病院に電話をすると、「患者が多いので、2時間後に来て下さい」と言われ、氏名と年齢を聞かれました。2時間後、熱に苦しむ子を連れて行くと、受付で「今から2時間待ちです」と言われました。

 昼夜の担当交替で昼の電話対応の内容は分からないと言われ、がく然としました。一体、何十人いるのだろうと思い病院へ行くと、救急外来の待ち合いには10組程の親子がいるだけでした。十人で2時間?と思いました。しかし、一向に診察が進まず、電話から4時間後にやっと診てもらえました。

 待っている間、夕食を買いに出たり、ただでさえしんどいのに、待ち疲れ眠ってしまう子、泣きぐずる子も。お母さんたちは口々に「誰も呼ばれていないのに、中で何してるんや」「救急の意味ない」「家にいた方がマシやったわ」「悪化するやんか」「もう二度と救急なんか来やへん」などとぼやいていました。

 なぜ、こういう事になってしまったのでしょうか。町の小児科が休日や時間外に休業態勢をとっている以上、インフルエンザが流行していると分かっているこの時期、せめて混む時間帯だけでも医者を二人にするとか、柔軟な態勢で対処いただけなかったのかと思います。

 電話の対応も担当が誰であれ、市民病院の窓口として言っている訳ですから、人によって違うのでは困ります。せめて「受付順に2時間待ちなので、先に受付をしに来て下さい」と言っていただければ、そうしました。

 普通の順番待ちではなく、病気を抱えての長時間は親子ともに疲れました。
  病院としての意見を聞かせて下さい。    (名張市、女性)

救急の受付を改善 心がけて参ります

 (伊賀市立上野総合市民病院庶務課より回答) 「声」にご返事をさせていただきます。ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

 救急での受診につきましては、原則ご来院いただき順番をお待ちいただくこととなっております。当日は患者様が多く、非常に混雑しておりましたので、2時間くらいすれば患者様も少なくなるとの判断で2時間くらいしてからおいでくださいと申し上げた次第です。

 ところが、当日の小児科の患者様は 58 名にのぼり、2時間経っても一向に患者様は減らず、結果として、ご来院いただいてから2時間待っていただかなければ診察を受けていただけない状況となりました。

 患者様には大変負担をおかけしたことと深くお詫び申し上げます。
救急の受付につきましては、これから改善していくよう心がけて参りますので、よろしくお願い致します。

 また、救急医療は輪番制で救急体制をとっておりますが、医師の確保が難しくご指摘のような状況に応じて医師の増員などの配置は困難な現状ですので、よろしくご理解賜りますようお願い致します。

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■緊急特集 伊賀と名張  小児救急医療は?


  YOU407号(3月13日発行)声欄「発熱では救急診れないの? 市立病院の昼間の対応考えて」の掲載から1か月。伊賀地域に住む子育て中の読者を中心に、医療体制への不満や不安など数多くの便りや電話が編集部に寄せられている。各地で小児科医の不足が伝えられるなか、伊賀地区の小児救急医療体制はどう進められているのか。県と名張、伊賀両市の行政と医療関係者に話を聞いた。




  伊賀地域で小児救急部門のある2次救急病院は3か所。伊賀市は市立の上野総合市民病院(以下市民病院)と民間の岡波総合病院(以下岡波病院)の2病院、名張市は市立病院のみ。
  また、各医療機関の小児科医の常勤人数は、2005年4月現在で市民病院二人、岡波病院一人、市立病院二人の合計五人。いずれの病院も三重大学医学部を通じ、人材を確保している。

大学から非常勤医

 小児を含む2市の救急医療体制を見ると、伊賀市は市民病院と岡波病院によって、24時間365日ほぼ等しい割合で救急担当日を分担するため、輪番制を敷いている。

 名張市立病院も24時間365日の2次救急医療を実施。小児救急は伊賀地域の3病院とも常勤医だけでの体制維持は困難で、三重大学から非常勤医の派遣協力を得て、「何とか対応している」という。

センター設置検討

 昨春、伊賀地域の小児科関係者が集まり「伊賀地域小児救急医療体制検討会」が2回開かれた。話し合いでは、これまで2市で行っている小児救急部門を3病院で輪番制にする案を検討していたが、昨年11月に名張市立病院の小児科医を派遣している三重大学から6月末で医師二人の引き上げなどの申し出があり、3病院による輪番制の案は頓挫した。

 その後、今年3月24日、伊賀、名張の両市長や県担当者、医師会、警察、消防など13機関の代表者による「伊賀地域救急医療対策協議会」があり、市立病院の小児科医の引き上げの件が報告された。

 このなかで、3病院の小児救急・入院部門を統廃合し、新たな拠点となる「地域小児医療センター」を設置する案の検討が始まったが、伊賀県民局保健福祉部の荒井祥二朗部長は「(センター設置は)あくまでも一つの方法。拠点病院の選定や体制など具体的なことは決まっていない」と答えるに留まった。

小児科医引き上げに不安の声
疑問や不安

 一方、これまで編集部には小児科の救急医療体制についての疑問や不満などが手紙や電話、電子メールで相次ぎ寄せられた。その内容の一部を紹介する。
  「子どもが安全に住めない街なんですか」(名張市、A子さん)「市立病院の小児科がなくなるのは大変困る」(同市、B代さん)「保健センターや開業医が診察していない時間帯の救急は、上野まで行かなければならなくなる。名張市立病院の小児救急がなくなることに反対です」(同市、M美さん)。

市民への説明は

 読者からの便りでは、幼児が喘息による発作や発熱、けいれんなどを起こした際の職員や医師の応対ぶりに不満を持ったケースが多い。また、救急対応を要請しても、速やかに診察が受けられないことへの改善を求める保護者の声が目立ち、名張市立病院の小児科医引き上げの情報に不安視する声も日ごとに増している。

 県医療審議会の小児救急医療分科会がまとめた報告書には、「2次救急病院に集中する小児救急患者の大部分が初期救急対応で足りるという状況」とあり、「初期救急医療体制の早期確立」と「0・5次的な医療を提供している電話相談事業の充実」を図ることが、2次救急病院への患者集中を防ぎ、真に必要な医療が受けられる体制の整備につながると考え方を示している。

 名張市立病院の担当者は「現在、医師二人の引き留めを含め、あらゆる方向での策を検討している最中だか、なるべく早く市民に対し広報を行わなければならない」。伊賀地域の小児救急医療体制の課題解決に向けては4月26日(火)、伊賀市四十九町の県伊賀庁舎で「伊賀地域小児医療体制検討会」で話し合われる。
  不安を抱えての子育てを強いられている市民に対し、1日も早い明確な説明が待たれる。

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