12月12、13日に大阪市内で開かれる中学硬式野球の大会「2020リトルシニア関西連盟8ブロックNo・1決定戦」に臨む奈良ブロック代表に、伊賀地域から2年生の3人が選ばれた。【活躍を誓い合う北口君(右)と森田君=伊賀市】

伊賀の”ダブルハルト〟 桜井シニア 北口君・森田君

 「桜井シニア」からは伊賀市立城東中2年の北口陽翔君(14)と霊峰中2年の森田陽斗君(14)が選出。小学校の2年間は同じ少年団に在籍し、現在も平日の自主練習をともにする“ダブルハルト”が、持ち前の打撃力や守備力を武器に、大会を沸かせる。

 小学5年の同じタイミングで「ふたば少年野球クラブ」の体験に参加。主に北口君は二塁手、森田君は中堅手としてプレーし、6年時に県大会や全国選抜大会の優勝に貢献するなど、「この先、中学でも同じチームでやりたい」と互いを意識するようになっていた。

 奈良県内や関西で強豪として知られる桜井シニアに入団後は、筋トレによる体づくりはもちろん、「頼れる先輩たちの姿を見て、野球も生活でも自主性が身に着いた」という。主将の北口君は50メートル6秒4の快足と長打力を武器に、不動の1番打者として試合を動かすキーマン。「飛ばす力は誰にも負けない」と自負する主砲の森田君は、長打力があり打率も残せる3番打者だ。

 現在は北口君がセンター、森田君がレフトを守り、互いの強みを「守備範囲の広さとミート力のある打撃」(森田君)、「長打力と強肩」(北口君)と客観的に見る一方、心の内では「負けたくない存在」と強く意識する。チームに不可欠な存在として、「来夏の全国大会出場」というチームの目標、「同じ高校に進んで甲子園出場」という自分たちの目標をきちんと見据えている。

 関西連盟では例年、この時期に選抜チームを組んで台湾遠征を実施していたが、今年は新型コロナの影響で中止となり、「少しでも大きな舞台で試合をして経験を積んでほしい」と、独自に選抜選手で構成した同連盟8ブロックのトーナメント戦を企画した。2人は「自分が塁に出て試合を動かし、優勝したい」(北口君)、「自分たちのプレーを見てもらい、多くの人にアピールしたい」(森田君)と意気込みを語った。

 北口君の父・善啓さん(43)は「ここまで成長させてくれた人たちや在団生たちにも良い報告ができるよう、2人の持ち味である攻撃的な野球で関西の頂点を目指してほしい」、森田君の父・竜治さん(38)も「小中とも、チームメートや指導者に恵まれてきた。感謝の気持ちを忘れず、これまで培った誇りを胸に関西ナンバーワンを勝ち取ってほしい」とエールを送った。

エース左腕「強気に」 宇陀リトルシニア 山野君

練習に臨む宅間君(左)と山野君=宇陀市で

 奈良ブロックのメンバーには、宇陀市を拠点とするチーム「宇陀リトルシニア」のエース左腕、名張市立南中2年の山野武士君(14)も選ばれた。打者の内角を攻める強気な投球で存在感を示したい。

 小学2年で少年野球・つつじが丘ファイヤーズに入り、「チームメートと一緒に頑張れるのが楽しい」と、投手や一塁手、外野手として野球一筋に汗を流してきた。身長167センチの山野君は現チーム唯一の左腕で、投手歴は最も長い。

 コロナ禍で練習ができなかった4月からの1か月半の支えは、小学6年と4年の弟2人とのキャッチボールだったといい、練習再開後は「しんどくても頑張ろう」とチームメートに声を掛けた。「野球は出来る限り長く続けたいし、将来は子どもたちに野球の楽しさを伝えたい」と話す。

 投手コーチの谷口征良さん(26)は「他チームの投手らとの交流も深め、経験を自分やチームのために役立ててほしい」と期待する。同じくメンバー入りした主将の宅間大翔君(13)(大宇陀中2年)も「自分たちのできることをしっかりやりたい」と話した。

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