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    <title>シアワセ感じる100歩</title>
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    <title>「仕上げる」を楽しむ。</title>
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    <published>2012-01-24T08:35:55Z</published>
    <updated>2012-01-24T08:43:55Z</updated>

    <summary>入試シーズン到来で、家庭教師の仕事が忙しい。　この時期、受験生も保護者もぐっとナ...</summary>
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        <![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="057.jpg" src="http://www.iga-younet.co.jp/100step/archive/057.jpg" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" height="230" width="179" /></span>入試シーズン到来で、家庭教師の仕事が忙しい。<br />　この時期、受験生も保護者もぐっとナーバスになるものだが、あれこれ心配したところで今更どうなるものでもない。<br />　足りないものに悩むより、出来るようになったことに目を向けるほうが余程いい。<br />　試験が近づくと、私は、達成した内容を具体的に生徒に伝え、保護者には健康管理をお願いする。
]]>
        <![CDATA[<br />　大学入試では遠方での受験も多くなる。<br />　緊張しがちなので、「ホテルで勉強するなら電気スタンドは便利。<br />　乾燥予防に加湿器も。<br />　フロントに頼んでおくと用意してくれるよ」など、どっちでもいいことだけ話す。<br />　それでも「緊張しちゃダメだと思っても、お腹いたくなる」と訴える生徒には「他の子も同じような気持ちだよ」と言い、加えて過去のエピソードを語ってみる。<br />　「英語の試験にうっかり英語が書かれた服を着ていった先輩、コートで隠せと試験官に言われてね、分厚いコートと暖房で頭はボーっとなるわ、答案は汗まみれになるわで大変だったらしい。でも合格よ」<br />　悪条件でもなんとかなるものなのだ。<br /><br />　最後の指導では必ず「仕上げは上々だね！」と伝える。<br />　どの子も一生懸命準備して、極寒の中、凍えながら試験会場へ向かうのだ。<br />　自信を持って臨むのに、誰もが十分値する。

<br /><br />　そして迎える運命の瞬間。<br />　最近はネットでの合格発表が主流で、「私の受験番号はｘｘｘ。発表、見てくださいね！」と、メモを渡してくる子もいる。<br />　このときばかりは冷静ではいられない。<br />　発表時間ぴったりにアクセスすると繋がりにくいし、パソコンが固まったりも。<br />　特に印象深いのは、番号確認と同時に受けた生徒からの号泣電話だ。<br />　「ありがとーございますぅ！」だけわかったが、あとは日本語かどうかもはっきりしない。<br />　私の言葉も涙で詰まり、意味不明なやりとりをした。<br />　会話にならない会話が、最高に嬉しかった体験である。<br /><br />　もちろん、逆の結果もある。<br />　そうなると、最後に伝えた「仕上げは......」の言葉が宙に浮いた気にもなる。<br />　だがあるとき、目標の大学へは行けなかった生徒からこんな手紙が来た。<br />「今、私は大学でレポートを書いています。小論文を教わったことが、ここでこんなに生きるなんて。やって無駄な勉強なんてないんですね。やっぱり仕上げは上々でした！」<br />　一緒に勉強したことを、丁寧に辿る彼女の手紙。<br />　一語一語が胸に沁み、思った。<br />　......これも間違いなく「上々」、だね。]]>
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    <title>「贈る」を楽しむ。</title>
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    <published>2011-12-20T04:28:19Z</published>
    <updated>2011-12-20T04:35:21Z</updated>

    <summary>もうすぐクリスマス。今年も、ハンガリーにいる友人アイーダにプレゼントを贈るつもり...</summary>
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        <![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="56.jpg" src="http://www.iga-younet.co.jp/100step/archive/56.jpg" width="230" height="228" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span><p>もうすぐクリスマス。今年も、ハンガリーにいる友人アイーダにプレゼントを贈るつもりだ。<br />　日本を愛してやまない彼女が、凝っているのは着物。買うだけでは飽き足らず、無地の反物に絵を描いて自力で仕立てようとするほどだ。<br />　だから、着物関連の何かを贈ろうと考えている。</p> ]]>
        <![CDATA[<p>
当人から電話があった。<br />「パーティーで着物を着たから見てくれる？」<br />　メールで送られてきたのは、着物姿の彼女の写真。<br />　ネットの動画を見て着付けを覚えたにしては、なかなかさまになっている。<br />「萌黄色（もえきいろ）の帯が粋ね！」と絶賛したのだが・・<br />「あれ？」<br />　何か足元が変だ。<br />「これ、サンダル？」<br />　足袋にサンダル履きとはどうしたことか。<br />「サイズがなかったのよ！探したけど小さすぎて」<br />　だがとっくに手は打った、と彼女。<br />「オーダーメード草履よ。近所の靴屋に頼んである」<br />「近所に日本の職人が？」<br />「まさか。ゾウリが何かも知らないハンガリー人よ」<br />　そんな無茶な。<br />「写真見せたし、そこは職人魂よ。ハンガリーにはいい靴職人が多いの。ロバート・デニーロも頼みに来るってウワサだし」<br />「デニーロのお抱え職人なの？」<br />「それは別の店。でもきっと大丈夫！彼、修理専門だけど」</p><p>彼女の着物への情熱に感動した私は、すぐさま呉服屋へ向かった。<br />　簪（かんざし）を贈ろう。<br />　話しながらそう思いついたのだ。<br />　ところが、行った店には簪がない。<br />　申し訳なさそうにしていた店主は、「代わりに贈り物の極意をひとつ」と咳払いをし、（なぜ極意なのかは不明）「コツは贈る相手に『これは何？』と思わせること」と、棚からトランプ柄の小物入れを摘んだ。<br />「この柄は大正時代の長襦袢の復刻です」<br />　斬新なデザインだ。<br />「意外でしょ？ほらね、会話が広がる」<br />　なるほど。<br />「『これは何？』と思わせて語れるようなストーリー性が必要です」<br />　その後、ようやく別の店で桜模様の扇型の簪を購入。<br />　私はクリスマスカードを前に筆ペンをとる。<br />　扇形は末広がり。おめでたい形です。花といえば桜、云々」語るように、したためた。</p><p>草履を履いて簪を挿せば、彼女の着物姿は完璧だ。<br />　さて、草履の完成予定、である。<br />　聞いてみると「もう出来てもいい頃よ」と彼女。<br />「いつ注文したの？」<br />「ん～、1年前かな」<br />　1年って・・どんな力作だ。<br />　あるいは次も足袋にサンダルか？<br />　となると、簪を贈るのはタイムリー。<br />　これは何？と、皆の視線が頭に行って、足元からは逸れるから。</p>]]>
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    <title>「確認する」を楽しむ。</title>
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    <published>2011-11-22T01:18:00Z</published>
    <updated>2011-11-22T01:53:05Z</updated>

    <summary>国語を教える仕事とは別に、ネットで外国人に日本語を教えている。ただこちらはボラン...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.iga-younet.co.jp/100step/">
        <![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="055.jpg" src="http://www.iga-younet.co.jp/100step/archive/055.jpg" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" height="230" width="210" /></span><div>国語を教える仕事とは別に、ネットで外国人に日本語を教えている。</div><div>ただこちらはボランティアであることが多い。</div><div><br /></div><div>今回、自分の文章を少しだけ見て欲しいと言うのは中国人の張さん。</div><div>日本人相手に中国人とのビジネスについて、プレゼンをするのだという。</div><div>プレゼンのチェックとは大層な話だが、少しだけならと引き受けた。</div><div><br /></div> ]]>
        <![CDATA[<div><br /></div><div><div><br /></div><div>「まず、ホウレンソウです」</div><div>「野菜の話ですか」</div><div>「日本人がビジネスに必須だというホウレンソウ」</div><div>　ああ「報告・連絡・相談」の「報・連・相」か。</div><div>「あれは素晴らしい。でも中国にはない！」</div><div>「報告も連絡も相談も？」</div><div>「日本人からすれば、ないに等しい。そこをわかって仕事しましょうと言いたい。で、私が書いたのがこれです」</div><div>　送られてきたファイルを開けて驚く。</div><div>　な、長い......。</div><div><br /></div><div>「さっき『少しだけ』って言ったのに！」</div><div>「そうおっしゃらずに。それにこれ、あなたが中国人とビジネスをするとき役立ちます」</div><div>　そんな計画はない。</div><div>　文句を言いながら始めたが、読んでみるとこれが案外面白く、気になる表現も。</div><div><br /></div><div>「この『賞罰が必要』って？」</div><div>「日本人は打ち合わせのとき罰を与える話はしない。中国人には賞も罰も伝えたほうがいい」</div><div>「シビアね。『直接会ったときに確認、その場で確認』こう何度も『確認』と書いたのはなぜ？」</div><div>「中国人は日本人みたいに細かくメモを取りませんからね。</div><div>　意見の違いも丁寧に説明し、その場で確認することが大事」</div><div><br /></div><div>　中国人とのビジネスに必須なのは「確認」で、「言うまでもない」は通用しないのだとか。</div><div>　日本語文を直しながら、他国とのビジネスは厳しいものだと経験もないのに思う。</div><div>　そろそろ終盤というとき、張さんが言った。</div><div>「さて次は『ビジネス社外編』」</div><div>「まだあるのっ？」</div><div>　しかしまた「社外編はお土産の話などです」に、うっかり興味を示してしまう私。</div><div>「中国人はたくさんお土産を買う。面子が大事なので皆に最高のものを買おうとするからです」</div><div>「会社にも？」</div><div>「もちろん。日本人ならクッキー１個ずつ、もアリでしょ？そんなのはあげないほうがマシ」</div><div><br /></div><div>　同じアジア人でも大きく違う習慣や価値観。</div><div>　そんなことに感心しつつ、ようやく社外編もチェック完了。</div><div>　面倒な作業だったけれど楽しかったと伝えると、「それはよかった。ではついでに『番外編―飲み会での付き合い方』も」と張さん。</div><div>　......彼の「少しだけ」がどれだけか、事前に「確認」すべきだったと、つくづく思うのであった。</div></div>]]>
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    <title>「克服する」を楽しむ。</title>
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    <published>2011-10-11T09:45:57Z</published>
    <updated>2011-10-11T09:51:58Z</updated>

    <summary>苦手なものを克服する方法－それは対象にとことん関わることである。この夏虫に翻弄さ...</summary>
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        <![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="054.jpg" src="http://www.iga-younet.co.jp/100step/archive/054.jpg" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" height="210" width="230" /></span>苦手なものを克服する方法－それは対象にとことん関わることである。<br />この夏虫に翻弄され尽くした娘が、身をもってこれを証明。<br />ついに虫嫌い（第40歩をご覧下さい）を克服した。]]>
        <![CDATA[<br />
　3か月前、他県で暮らす彼女が取り乱して電話をしてきた。<br />「何かに刺されて私の足がこんなことに！」<br />　携帯に送られてきた写真には、両足に広がる無数の水ぶくれが。<br />「蚊より100倍くらい痒くて気が狂いそう！」<br />　皮膚科に行ったが虫の特定は出来ず、とりあえず塗り薬をもらったという。<br /><br />　数日後、娘を訪ねると憔悴しきっていた。<br />　慰めると「それより変な虫を見つけたんだ。ほらここ」<br />　彼女が指し示す所には、小さな茶色の虫が10匹ほど居た。<br />　目を凝らすと......飛び跳ねている。<br />　これ......「ノミじゃないの？」<br /><br />&nbsp;　原因は明白だ。<br />　野良猫が近くで子どもを生んだと、娘が写真を送ってきたことがあった。<br />　いつの間にかいなくなったとも話していた。<br />「ノミ、置いていかれた
ね」<br />　すぐさま煙の出る殺虫剤を焚き、掃除機をかける。<br />　これで一安心と帰宅したのだが。<br /><br />&nbsp;　再び携帯が鳴る。<br />　「また刺された！」<br />　まさか。<br />　燻煙式殺虫剤が効かない？<br />　慌てて調べに調べた。<br />　すると「虫が死んでも卵は死なず、次々と孵化します」との有難くない情報が。<br />「それじゃ、きりがないってこと？」<br />　悲鳴に近い声。<br />「いや、冬には居なくなるから」<br />「何か月先よ～」<br /><br />　彼女の戦いは続いた。<br />　日に数回の掃除機。<br />　寝具の洗濯、日光消毒。<br />　ノミが嫌うペニーロイヤルミントの植栽。<br />　ユーカリオイルを薄めてスプレー。<br />　卵が孵化する
タイミングで殺虫剤を焚くこと4回。<br />　私も参戦し、ネットで見つけたノミ捕り装置を送ったり、「ノミは若い女の生き血が好きです」などの余計な情報提供に励
んだりした。<br /><br />&nbsp;　友人たちの同情も買ったようだ。<br />　「足を見せたらショックで涙ぐまれたほどよ。最近じゃ、周りの友だちが、毎日私の足に祈りを捧げてる」<br /><br />&nbsp;　事態が収束に向かった頃。<br />　再度娘の部屋に泊まった。<br />　朝、ふと見ると私のシーツに茶色の点。<br />　金切り声を上げて捕獲した。<br />　隣で寝ていた娘は伸びをして「そ
れ、最後かな」と落ち着き払っている。<br />「お母さん刺されなかった？あ、そうか」<br />　何？<br />「好物は『若い』女の生き血って」失敬なノミである。<br /><br />　夜、洗面所でバシっと何かを叩く音がした。<br />「こんな虫！」と娘。<br />「ノミに比べりゃ何てことないわ」<br />　......で、丸めたティッシュの中には何が？<br />「ん？ただの
ゴキブリベイビーだよ」<br />　苦手を克服したら、別人になれるらしい。]]>
    </content>
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    <title>「関わる」を楽しむ。</title>
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    <published>2011-09-13T02:14:38Z</published>
    <updated>2011-09-13T02:29:20Z</updated>

    <summary>あと2年で祖母は100歳になる。　足が弱くなったので外出先は病院とデイケアだけに...</summary>
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        <name>T.T</name>
        
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.iga-younet.co.jp/100step/">
        <![CDATA[<span class="Apple-style-span" style="color: rgb(0, 0, 0); font-family: 'MS PGothic'; font-size: medium; "><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="053.jpg" src="http://www.iga-younet.co.jp/100step/archive/053.jpg" width="214" height="230" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>あと2年で祖母は100歳になる。<br />　足が弱くなったので外出先は病院とデイケアだけになってしまったが、読書好きなことやユーモアたっぷりに話すところは少しも変わらない。<br />　例えば、何か失敗をしたときのつぶやき。<br />「やっぱり年やな。1回焼いてもらわな直らんわ」<br />　年齢が年齢だけにシュールである。<br />　使わなくなったアクセサリーを祖母がくれたので、お礼を言ったときもこうだ。<br />「気に入ってくれて良かったわ。これで思い出してもらえる......」<br />　そして悪戯っぽく笑うのだ。<br />　100歳を目前にすると死生観も超越的である。</span> ]]>
        <![CDATA[<span class="Apple-style-span" style="color: rgb(0, 0, 0); font-family: 'MS PGothic'; font-size: medium; "><div><br />　祖母は誰とでもすぐ打ち解ける。<br />　4世代ほど年の差がある介護士さんたちとも楽しく会話する。<br />「旅の話をしてたらな、若い介護士さんに『行きたい国はありますか？』と聞かれてね。<br />『黄泉の国へ行きたい』て答えたんや」<br />「またそんなことを。あの世へ行きたいだなんて、介護士さんが答えに困るでしょ？」<br />「それがね、介護士さん、『その国、外国ですか？』やって。『黄泉の国』の意味、若い人知らないの？」<br />「そうかも。それで？」<br />「『ま、外国みたいなもんかな』て言うといた」</div><div><br /></div><div>とにかく祖母は若い。<br />　高齢者の脳を追跡調査した番組で、10年経っても脳が老化しない人たちの共通点は、周囲への関心や好奇心にあると解説していたが、すっかり祖母にも当てはまる。<br />　何についても興味があるので、デイケアでも周りをくまなく観察しているようなのだ。<br />「今日、認知症のおばあさんが、自分の指輪を介護士さんに『これ、あんたにあげる』言うてね。普通『そんなんもらえません』て答えるやろ？でも介護士さん、『ありがとう、きれいね』ってうれしそうに受け取ったわ。それから貴重品箱に入れて鍵閉めた。後で家族に返すんやろ。老人の気持ちを汲んで接してるわけやね」</div><div><br /></div><div>人とどう関わるか。<br />　これこそ祖母の重要な関心事なのだ。<br />　そしてそれは、彼女の若さの秘訣でもある。<br />　......一方、彼女の息子（＝父）はというと......何やら慌てている。<br />「おばあちゃん、デイケアで食事するだろ？」<br />　食前に、うまく飲み込むための体操をするとか言ってたっけ。<br />　何か問題が？<br />「おばあちゃんな、食事のときにつける宝石の指輪がいるんだって」<br />　ため息をつく父。<br />　自分自身も喜寿を過ぎ、身の周りを整理し始めた父である。<br />「女ってヤツは......」<br />　そしてボソっと付け足した。<br />「オレも、死んでる場合じゃないな」</div></span>]]>
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    <title>「選ぶ」を楽しむ。</title>
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    <published>2011-08-17T01:59:36Z</published>
    <updated>2011-08-17T02:05:10Z</updated>

    <summary>美容院でシャンプーをするとき「フルーティーとローズ、どちらがよろしいですか」と聞...</summary>
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        <name>T.T</name>
        
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.iga-younet.co.jp/100step/">
        <![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="052.jpg" src="http://www.iga-younet.co.jp/100step/archive/052.jpg" width="230" height="217" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>美容院でシャンプーをするとき「フルーティーとローズ、どちらがよろしいですか」と聞かれた。<br />　お好きな香りを選んでくださいなんて、これまでなかったサービスだ。<br />　どちらかというと......ローズかな。<br />　フルーティーだと何か若すぎる感じだし。<br />　そこで「ローズ、お願いします」と答えた。]]>
        <![CDATA[<br />美容師さんがシャンプーを泡立てると、甘く優しい香りが立ち上る。<br />　優雅な気持ちになり「いいサービスを始めましたね」と言ってみた。<br />「ありがとうございます。他のお客様にも好評なんですよ」<br />　きっとそうだろう。<br />「もっと色々な香りがあるといいんですけどね」<br />　色々？<br />　5、6種類とか？<br />　それだとシャンプー台に頭を乗せたまま迷ってしまいそう。<br />&nbsp;　何かの本で「選択肢」の話を読んだ。<br />　販売の実験で、試食として24種類のジャムと6種類のジャムを置いた場合、ジャムを買った人が多かったのは6種類の方だったとか。<br />　選択肢が多いと選びにくく、買う行為に至らないらしい。<br />　シャンプーでも同じだろうと思い「2種類がいいです」と断言。<br />「選択肢は少ないほうがいいんです」<br />　本の受け売りってことは伏せておいた。<br />　<br />「選択肢」というと仕事柄、入試問題を連想する。<br />　生徒は記号を選ぶ問題で、よく消去法を使う。<br />　間違いだと思う選択肢を消していき正解を残す方法だ。<br />　しかし彼ら、2つに絞った後で間違える。<br />　最後の2つが似通っていて、どちらが正解かわからないからだ。<br />　正解にたどり着こうと思ったら、どう違うのかを見極めるしかないのに。<br /><br />　ふと、ある疑問がわいた。<br />「男性のお客さんにもフルーティーとローズどちらにします？って聞くんですか？」<br />「はい、そうお尋ねします」<br />「彼らは何と答えるんです？」<br />「私が担当した男性のお客様のほとんどが同じ答えでしたね」<br />　同じ？<br />　根拠はないが、ローズな気がする。<br />「ローズですか？」<br />「いいえ」<br />「フルーティー？？」<br />「違います。皆さん『どっちでもいい』と言われますよ」<br /><br />　選びたくないのか、あるいは......選べないんだ。<br />　違いがわからないから。<br />「女性のお客さまだと100％どちらかを選ばれますけど」<br />　そう、結局はそこなのだ。<br />「選ぶ」とは。<br /><br />　......再び生徒の悲鳴が頭を過る。<br />「もう！　こんな問題わかりませんよ！　どっちだって同じでしょ？」<br />「違うって。ほら、こことここ見て」<br />　......夏休みだし、2択必勝法の集中講義でもするかな。<br />　ローズの香りの中、そんなことを考えていた。]]>
    </content>
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    <title>「運転する」を楽しむ。</title>
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    <published>2011-07-08T06:24:07Z</published>
    <updated>2011-07-08T06:42:04Z</updated>

    <summary>車が苦手だ。　運転中に方向がわからなくなるし、スピードが怖い。「そのくせ何でスピ...</summary>
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        <name>T.T</name>
        
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.iga-younet.co.jp/100step/">
        <![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="051.jpg" src="http://www.iga-younet.co.jp/100step/archive/051.jpg" width="179" height="230" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>車が苦手だ。<br />　運転中に方向がわからなくなるし、スピードが怖い。<br />「そのくせ何でスピード好きみたいな色の車にしたんだ？」と弟は言う。<br />　去年私は真っ赤な車を買った。<br />　でもそれは、前に乗っていたシルバーの車がよくある車種で、駐車場で停めた所を忘れると探すのに一苦労だったからだ。]]>
        <![CDATA[<br />　それに、施錠せずに停車していたら、家族の車と間違えた知らないおじさんが助手席に乗り込んできたことだってあるのだ。<br />　助手席の彼と驚愕の目で見つめ合ったあの一瞬。<br />　ああいう経験はもういい。<br />　だから赤にした。<br />　目立つ色なら他人も私も間違えない。<br /><br />　スピードを出さない真っ赤な車は、高速でもどんどん抜かれる。<br />（皆私を抜いていくがいい！）と思いつつ運転しているが、彼らに料金所で追いつくのは小気味よい。<br />　高速は特にカーブが嫌だ。<br />　ハンドルが逸れたらどれ程の勢いで壁に激突するのか。<br />　だがその恐怖、何故か右より左カーブのほうがマシなのだ。<br />　ある時、理由を考えた。<br />「左に激突しても助手席の人がクッションになる。身体はそれが分かってるんだ」<br />　声に出していたらしい。<br />　助手席の友人が無口になった。<br /><br />"自分をダメにする"とナビ反対派だったが、迷う回数が尋常ではなく、とうとうナビもつけた。<br />　でもこのナビがどうも不親切で、「目的地周辺です、ガイドを終わります」と勝手に終了する。<br /><br />　周辺と言われても、ガイド終了後に迷う。<br />　先週は、そのせいでギリギリ通れるかどうかの路地に迷い込んだ。<br />（曲がれるかな......）と窓を開けて道幅をチェックしていたら、犬の散歩をしていたおばさんに「曲がれますとも！勇気を出しなさい」と激励された。<br />　私には勇気も足りない。<br /><br />　課題を抱えたままの私に、運転を楽しむ日は来るのだろうか。<br /><br />　最近、「運転中に道が覚えられない人の特徴」という記事を読んだ。<br />　いわく、「彼らは建物を見ず、動くものに興味を持ちます」<br />　その通り。<br />　私は歩行者とか動物が気になる。<br />「動くものは場所を変えるので目印にはなりません。だから道が覚えられないのです」<br />　行間から「目立つ建物を記憶するのが普通だろ？」という非難が聞こえる。<br /><br />　しかし、だ。<br />　動くモノを認識するのはマイナスか？<br />　事故回避能力のあるってことでは？<br />　ついでに言えば、私のスピードに怯える運転も、慎重な運転ではないのか？<br />　絶対そうだ。<br />　私はセイフティードライバーなのだ！<br />　少しだけ楽しく......いや、楽になってきた。]]>
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    <title>「こだわる」を楽しむ。</title>
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    <published>2011-06-09T01:23:53Z</published>
    <updated>2011-06-09T02:02:05Z</updated>

    <summary> 「ちょっと聞いて！」メルが興奮気味に言った。　彼は、私がネットで時々日本語を教...</summary>
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        <name>T.T</name>
        
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        <![CDATA[ <span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="50.jpg" src="http://www.iga-younet.co.jp/100step/archive/50.jpg" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0pt 0pt 20px 20px;" height="229" width="169" /></span>「ちょっと聞いて！」メルが興奮気味に言った。<br />　彼は、私がネットで時々日本語を教えている15歳のアメリカ人だ。<br />「今日、垣根を切っていて閃いたんだ」<br />「何を？」<br />「ルフィの技の名前！」<br />　ルフィとは、少年ジャンプの人気漫画「ONE　PIECE」（ワンピース）の主人公だ。<br />　技というと「ゴムゴムの何とか」だろうか。<br />「それで？」<br />「考えたんだけどさ、『ゴムゴムのぉ～垣根をきる！』ってどう？日本人が聞いてかっこいい？」<br />　かっこ......よくもないかな。<br />　しかし特別に報告したい話が、想像上のルフィの技とはさすが世界のワンピース。<br />　熱狂的なファンはルフィの言葉に酔い、技にこだわると聞いてはいたが本当だった。]]>
        <![CDATA[<br />　さて、技の名前である。<br />　なぜイマイチなのか、説明を試みた。<br />「『ゴムゴムの垣根を切る』だと文章でしょ？技の名前なんだから名詞にしなきゃ。『垣根ぎり』とかね」<br />「そうか！『ゴムゴムのぉ～垣根ぎりぃ～』ホントだ！いいね！ん？でもどうして「切る」が「切り」になるの？それから何で「き」が「ぎ」に？」<br />　かくしてメルは、動詞の名詞化についての学習を始めたのであった。<br /><br />　つまりこだわりは発見を生み、学習の機会をもたらすということだ。<br />　メルの他にも、独特のこだわりを持って日本語を独学している英国人がいる。<br />　彼の発音に外国人訛はない。<br />　日本文化に興味はなく日本に来たこともないが「日本語の音が美しい」と、言葉を丸ごと「音」として覚えていたら、いつの間にか日本語ネイティブになったらしい。<br />　こだわりは上達を促すのだ。<br /><br />「質問があります」と、アメリカ人学生が言った。<br />　辞書に載っていない日本語があるそうだ。<br />「『だってばよ』とはどういう意味ですか？」<br />　ああ、またこの質問か。<br />　別の子にも同じことを聞かれた。<br />　ジャンプの漫画「NARUTOナルト」の主人公が、言葉の最後に付ける「～だってばよ」のことだ。<br />「それ、ナルトの口癖でしょ？」<br />「えっ？何でナルトってわかるんです？」<br />「ナルトしか使わないから」<br />「日本人は使わないの？」<br />「普通はね」<br />　しばらく考えてから彼は言った。<br />「ナルトはよく『だってばよ』を付ける」<br />「そうらしいね」<br />「でもどうして『だってばよ』になったの？」<br />　とことんナルトにこだわる彼。<br />「ボクはその理由が知りたい！！」<br />　時にこだわりは人を困らせる。<br />　そんなことは......「ナルトに聞いてください」]]>
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    <title>「夢見る」を楽しむ。</title>
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    <published>2011-05-23T04:06:50Z</published>
    <updated>2011-05-23T04:26:59Z</updated>

    <summary>「私のこと、覚えてる？」　突然の電話に驚いた。　高校の同級生だった彼女、Nとは卒...</summary>
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        <name>T.T</name>
        
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.iga-younet.co.jp/100step/">
        <![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="049.jpg" src="http://www.iga-younet.co.jp/100step/archive/049.jpg" width="230" height="175" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>「私のこと、覚えてる？」<br />　突然の電話に驚いた。<br />　高校の同級生だった彼女、Nとは卒業以来30年ぶりだ。<br />　同窓生たちが旧交を温める会を開いているというので、昨年遠方ながら私も2度ほど参加させてもらったが、欠席だったNには会えなかった。<br />　"だからかけてみたのよ"と、くれた電話がうれしかった。<br />　お互いの30年分の人生を数分で要約した後、昔のように取り留めもない話をした。<br />　そのうち話題が心理学へ移ると、Nが言った。<br />「ユングの夢分析をしたんだ」<br />　私はその言葉に陶然となった。<br />　ユング――。<br />　生活感のカケラもない響き。<br />　自分のことだけを考えていた高校生の頃に、たちまち時間が巻き戻っていった。 ]]>
        <![CDATA[<p>
<br />
「朝起きてすぐ、見た夢をノートに書いておくの」と彼女。<br />
「書いたもののイメージから自分の内面を探るわけ」<br />
　そして心理学の先生から聞いたことなどを、哲学的に解説してくれた。<br />
　夢を手掛かりに深層心理に迫るわけね。<br />
　こんな話は久しぶりだったので、気持ちが弾んだ。<br />
「私も自分の夢の意味を考えてみるよ」</p>
<p>
寝る前にはミステリーを読む。<br />
　だからといって夢にうなされたことはないのだが、夢分析をするぞ！と身構えると、血生臭いのは控えたくなった。<br />
　ユングは小細工を禁じているだろうか、と思いつつ、ミステリーをヒストリカルロマンスにすり替える。<br />
――時代は19世紀英国。<br />
　伯爵が仮面舞踏会で運命の女性に出会い、そして......お約束の展開が睡魔を誘い、いつの間にやら熟睡。</p>
<p>
――夢を見た。<br />
......男がいる。<br />
　彼は私に向かって人懐こい笑みを浮かべている。<br />
　私は男を真直ぐに見て、言う。<br />
「メバルください」</p>
<p>
――そこで目が覚めた。<br />
　メバル？<br />
　魚！？<br />
　起きぬけに言葉を失う。<br />
　ヒストリカルロマンスを読んで寝て、見たのは魚屋でメバルを買う夢。<br />
　煮付けの魚にどんな意味が？<br />
　確かNは「心の奥底で気になっていること」と言った。<br />
　メバルの煮付け。<br />
　あれを食べたのはひと月ほど前だ。<br />
　そういえばあの時、取っておくつもりだった煮汁をうっかり捨ててしまったんだっけ。<br />
　煮汁は後で「おから」に入れて、風味を加えたかったのに。<br />
　それで「おから」が思い通りの味にならなくて。<br />
　ああこれか。<br />
　1か月間心の奥底で、煮汁を捨てたことを悔やみ続けていたわけだ。<br />
　煮汁欲しさに煮魚の夢。......残念極まりない。</p>
<p>
いやむしろ、煮汁が具体的でプロっぽくないか？<br />
　煮魚を夢見るプロ主婦。<br />
　夢の中で食にこだわる＝生きる糧へのこだわり。<br />
　少し哲学的？<br />
　......考えていたら、何かお腹がすいてきた。</p>
]]>
    </content>
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    <title>一緒に、前へ。</title>
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    <published>2011-04-18T01:24:01Z</published>
    <updated>2011-04-18T01:33:41Z</updated>

    <summary>報道のカメラが被災地を映し出す。瓦礫と化した町......。　画面に見入っていた...</summary>
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        <name>T.T</name>
        
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.iga-younet.co.jp/100step/">
        <![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="48.jpg" src="http://www.iga-younet.co.jp/100step/archive/48.jpg" width="230" height="178" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>報道のカメラが被災地を映し出す。瓦礫と化した町......。<br />　画面に見入っていた祖母は「あの時を思い出すなあ」と涙ぐむ。<br />　実家は、阪神淡路大震災で被災した。<br />　祖母が思い起こすのは16年前の記憶だ。<br />　悲しみの中にも続く被災地での生活。<br />　余震のため夜も眠れない。<br />「疲れ切ってたわ。それでお風呂屋さんに行くことにしたんよ」と、祖母。<br />　一部復旧した電車に乗って、祖母と母は震災後初の外出をした。<br />「お風呂屋さんの近くの駅、初めて降りた駅やった」<br />　見知らぬ町に降り立って銭湯を探し出すと、そこは夜の街で働く女性で一杯だった。<br />「全く勝手がわからんかった。そしたらお姉さん方が言葉をかけてくれて」<br />　場違いな2人が被災者だと知って、皆が話を聞いてくれたという。<br />「ジュースももらったんよ」と、祖母は微笑む。<br />「それから被災地から離れた美容院へ行ったとき。知らない顔の私らに店の人が親切にしてくれて。ほんま、生きた心地がしたわ」]]>
        <![CDATA[<br />　阪神間の人たちは「戦前、戦後」というように「震災前、震災後」と記憶を辿ることがある。<br />「あの時」が深く刻まれているからだ。<br />　記憶の中にはもちろん、心に沁みた優しさもある。<br />　だから祖母は「あのジュースはおいしかったなあ」と、16年経った今も繰り返す。<br />　それは「生きた心地」の、鮮明な記憶なのだ。<div><br />　今回の地震の後、私は他国からのメッセージに接した。<br />　中断していた日本語指導を再開しようと、言語学習者用のサイトに行ったときのことだ。<br />　そこには各国の人が集まっているのだが、知らない人までが一斉に、日本人の私に言葉を送ってくれた。<br />「大好きな日本がこんなことになって、テレビの前で泣きました」と、フランスの女の子。<br />　アメリカの高校生は「学校で募金活動をしてるんだ」と言い、中国の大学生は「四川大地震の恩返しがしたいと皆で考えてるよ」と話した。<br />　様々な国、つまりあらゆる宗教国の人たちから、「神に祈りを捧げています」とも。<br />　どれだけの神の視線が、日本に向いていることか。<br />「ありがとう」と答え、彼らの言葉を記憶した。&nbsp;
</div><div><br />「がんばろう、ニッポン！」これは今、ほとんどの日本人が共有している言葉だ。<br />　大勢の人が、自分が今出来る事を考えているのもそのためだろう。<br />　被災地の人たちに寄り添う言葉も伝えられている。<br />　それが善意とは限らない、という人もある。<br />　しかしこんな時こそ斜に構えず、真正面からとらえたい。<br />　一緒に、前へ。<br />　......そうした「言葉」は復興のエネルギーにもなるのだから。</div>]]>
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    <title>「理解する」を楽しむ。</title>
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    <published>2011-03-11T08:32:28Z</published>
    <updated>2011-03-11T08:54:39Z</updated>

    <summary>先月、久々に小学生の生徒を持つことになった。　5年生の女の子、Kちゃんだ。　2回...</summary>
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        <name>T.T</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.iga-younet.co.jp/100step/">
        <![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="047" src="http://www.iga-younet.co.jp/100step/archive/47.jpg" width="230" height="175" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>先月、久々に小学生の生徒を持つことになった。<br />　5年生の女の子、Kちゃんだ。<br />　2回目に会ったとき、赤外線通信で私のアドレスを携帯に送って欲しいと頼まれた。<br />「赤外線......どこ押すんだったかな」<br />　私がもたついていると、「やらせて～」とKちゃん。<br />「携帯の会社が違うのに出来るの？」<br />「うん。先生のは簡単なヤツだから」<br />　簡単なのか。<br />「あー先生、自分のアドレス登録してない。仕方ないな。じゃあこうやって」<br />　Kちゃんは、2台の携帯の上で滑るように指を動かし、あっという間に作業を終えた。 ]]>
        <![CDATA[<div><br />　機械や機器に私は滅法弱い。<br />　理解できないから説明書もロクに読まない。<br />　このままでは将来、何一つ使えないおばあさんになってしまう。<br />"新しい"ことには慣れなければ。<br />そこで、考えを改めることにした。</div><div><br />　買ったばかりのサイクロン掃除機があるので、まずは原理を調べてみる。<br />　サイクロンは、空気とゴミを遠心分離させる技術か。<br />　次は取り説。<br />　図を見ながら手順に従って組み立てたが、はまらない。<br />　手順3から2に戻りもう一度、と奮闘していたら、横で見ていた夫が「いや、こうだろう、普通」と、一瞬で完成させた。<br />　......そんな馬鹿な。<br />　私はモノの構造すら理解できないのか。</div><div><br />　非常に焦る。<br />　ならば実践あるのみだ。<br />　浄水器本体の交換という課題もまだある。<br />　いつもなら夫に頼むところだが、自分で分解しよう。<br />　部品を1つずつばらし、新しいものに代えてもう一度組み立てる。<br />　割と簡単だ。<br />　しかしなぜ、部品の1つが余るのか。<br />　どこかおかしいともう一度分解したら、収拾がつかなくなった。<br />　30分以上格闘し、やっと浄水器の構造を理解する。<br />　全ての部品が収まって水が流れた瞬間、何かに打ち勝った気がした。</div><div><br />　さて、再びKちゃん指導の日。<br />　彼女の筆箱の中にバラバラになったシャープペンシルを見つけたので「何かなくなったら困るでしょ」と、組み立てようとしてまた躓いた。<br />　どうやるんだ？　これ。<br />　Kちゃんは「そうじゃなくて、こう」素早く元通りにし、ニヤっと笑った。<br />　そして「先生、シャープペンシルって英語ですか？」と質問した。<br />　私は「英語ではメカニカルペンシル。機械的な鉛筆という意味......」と、自分で答えて絶句する。<br />　またしても機械か！<br />「メカ～ニカルペンシル」単語をすっかり気に入って連呼する彼女。<br />「メッカ～ニカルペンシィ～ル！」もういいよ、Kちゃん。<br />「メカ～ニカルッ！！」......私には、理解すべき対象がたくさんあるようだ。</div>]]>
    </content>
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    <title>「歩く」を楽しむ。</title>
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    <published>2011-02-10T08:10:14Z</published>
    <updated>2011-02-10T08:23:38Z</updated>

    <summary>昨年秋から、友人Mとウオーキングを始めた。　出不精な上に根気がないので何をやって...</summary>
    <author>
        <name>T.T</name>
        
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.iga-younet.co.jp/100step/">
        <![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="046.jpg" src="http://www.iga-younet.co.jp/100step/archive/046.jpg" width="230" height="176" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>昨年秋から、友人Mとウオーキングを始めた。<br />　出不精な上に根気がないので何をやっても長続きしなかったが、今回ばかりは継続の意欲満々。<br />　それは、友人Mの楽しげな提案のためだ。<br />「1週間に1回だけでもいいんじゃない？何もしないよりマシよ。それとランチもいっしょにどう？」<br />　心躍るプランに思えた。]]>
        <![CDATA[<br />　初めのころは、公園内のウオーキングコースを試した。<br />　コースの表示板にある理想的な所要時間を目安にすると、20分くらいで汗をかく。<br />　雑談三昧なので、1時間歩いても苦ではない。<br />　ウオーキング後の軽めの食事も楽しみだ。<br /><br /><div>ウオーキングの速度が分かったあとは、川べりなども歩いた。<br />　しじみとりのおじさんに、友達のように挨拶をする。<br />　自然の中を歩いていると、その土地に馴染んだ気分になるのだ。<br />　川には鴨もいた。<br />「つがいで泳いでいるのが多いね」とM。<br />　のどかな光景に和みかけたが、よく見ると、オス1羽の横にメスが2羽というのも。<br />「色々あるのよ、鴨も」と2人で納得する。<br />「メスが5羽っていう集団は？」<br />「さあ。色々あった挙句の女子会？」<br />　鴨社会の在り様を垣間見たような気がした。<br /><br /></div><div>寒さも増してきたので最近は、風を遮る建物がある街歩きに変えた。<br />　今度は「食事をする店」がゴールだ。<br />　ただ、街中だとつい寄り道も。<br />　先日は回転焼きの店に吸い寄せられた。<br />　餡を入れていたおばさんが「次、焼けるまで20分ほどかかります」と言うので注文をし、隣の靴屋で時間を潰していたら、何も買わないのに店の主人が福引の券をくれた。<br />　思いがけない幸運。<br />　犬も歩けば棒に、である。<br />　私たちは浮かれながら抽選会場に向かい、１等から順に賞品を確認。<br />　末等は、駄菓子。<br />　下から2番目は、今注文した「回転焼き」だ。<br />「確率的には末等よね」<br />「でも、こういう時に限って......」<br />　結局、2人揃って「回転焼き無料券」を当てる。<br />　幸運とはかくあるものなのか。<br /><br /></div><div>再び回転焼きの店へ。<br />「今、焼き上がりましたよ！」<br />「あの、これ当たっちゃって。追加です」<br />　おばさんが困った顔をした。<br />「それじゃ数が足りないわ。もう20分かかります」<br />　また待つの？<br />　すると「こうしましょう！」と彼女。<br />「ご注文分だけお渡ししますよ。当たり分の金額を差し引いてお支払いいただけばいいです」<br />　ありがとう、おばさん！
<br /><br /></div><div>「食べるの早いわね～」とM。<br />　私は歩きながらカスタード味を頬張る。<br />「熱々がおいしいんだもん」<br />　取り戻した幸運は、素早く飲み込むに限るのだ。<br /><br /></div><div>「次は、雑誌に載ってたあの店を目指さない？」<br />　いつまでも続けられそうなお気楽ウオーキング。<br />　普段目に留まらないものが見えてくるのが面白い。<br />　こんなふうに「歩いている」と、頬に当たる冷たい風も、気にならない。</div>]]>
    </content>
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    <title>「振り返る」を楽しむ。</title>
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    <published>2011-01-14T08:25:52Z</published>
    <updated>2011-01-14T08:31:46Z</updated>

    <summary>「言いにくいんだけど」久しぶりに会った息子が私の顔をじっと見た。「なら言わなくて...</summary>
    <author>
        <name>T.T</name>
        
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.iga-younet.co.jp/100step/">
        <![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="045.jpg" src="http://www.iga-younet.co.jp/100step/archive/045.jpg" width="230" height="174" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>「言いにくいんだけど」久しぶりに会った息子が私の顔をじっと見た。<br />「なら言わなくていい」と答える前に、彼は言い放った。<br />「なんか老けたね」<br />　......君、それは禁句だろう。<br />　だが親の顔などに無関心な息子から指摘されたとなると、コトは重大。<br />　いただきものの中国製高級ナイトクリームがあったはず、と引っ張り出す。<br />「シワを消します」と断言する説明書に目を通し、クリームをたっぷり顔に塗ると、おじいさんの化粧品の匂いがした。 <div><br /></div>]]>
        <![CDATA[<div>匂いと効能にギャップのあるシワ消しクリームを使うこと一週間。<br />　肌には何の変化もない。<br />　同級生の友人にボヤくと、彼女は言った。<br />「仕方ないよ。私たち年女よ？」<br />　卯年2011年、40代の年女。<br />　平均寿命からいうと人生の半ばを過ぎ、後半を歩んでいるところでの一区切りだ。<br />「年相応でしょ。ま、改めて自分の顔を見るのも節目だからよ」と彼女。<br />「同級生と話すと皆、今までのことを振り返る余裕が出てきた感じ。これまで前だけ見て、ずっと忙しかったよね」</div><div>節目と言われるとそうかもしれない。<br />　私自身、母親業が一段落した。<br />「確かに最近、母親役を降りてるわ、私」と友人に説明する。<br />「『ご飯前にお菓子なんか食べたらダメでしょ？』『使ったらきちんとしまおう』みたいなお馴染みのセリフがあるでしょ」<br />「定番だね。子どもに言わなくなった？」<br />「というより、私が娘に言われるようになった」<br />「何それ」<br />「教育上宜しくない振る舞いは抑えてたけど、相手は大人だしもういいかなと思うわけよ」<br />「それ、どうかと思うよ......」</div><div>しかし人生も後半。<br />　母という立場に縛られず自由気ままにというのは魅力だ。<br />　ストレスだってなくなるし。<br />　アンチエイジング関連の広告も「ストレスは活性酸素を発生させ、皮膚のバリア機能を低下させます」と言っている。<br />　シワ消しクリームより効果抜群なはず。</div><div>ミステリーを読み、着色料まみれの輸入菓子を口に放り込む。<br />　最後の1個が最後にならず至福の時が続く。<br />　息子が来て、私の前に座ったのでグミを勧めた。<br />「食べる？」<br />「いや、いい。いらない」<br />　付き合い悪いな。<br />　するといきなり彼は「現代人は昔の人より、死んでも腐りにくいって聞いたな」と不気味なことを言った。<br />「どうして？」<br />「防腐剤だらけのものを食べてるから」<br />　カラフルなグミが手から落ちる。<br />「ま、ウソだと思うけどね」と言い残し、去った。</div><div>大人になった子どもというのは、油断ならない存在だ。<br />　母の威厳失墜を悲しむべきか、子どもの成長を喜ぶべきか。<br />　だらけていると「そんなに運動不足だと、将来歩けなくなるよ」彼らの小言が降りかかる。<br />　人生を振り返るより先に、生活態度の反省かな、と思うこの頃である。</div>]]>
    </content>
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    <title>「送る」を楽しむ。</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.iga-younet.co.jp/100step/archive/2010/12/post-43.html" />
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    <published>2010-12-10T01:50:19Z</published>
    <updated>2010-12-10T01:57:48Z</updated>

    <summary>　「荷物着いた？」「まだなの。遅いね」韓国にいるモニカと1か月近く繰り返した会話...</summary>
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        <![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="054.gif" src="http://www.iga-younet.co.jp/100step/054.gif" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0pt 0pt 20px 20px;" width="230" height="208" /></span>　「荷物着いた？」「まだなの。遅いね」韓国にいるモニカと1か月近く繰り返した会話だ。彼女から化粧品などを送ってもらったお返しに、こちらからも荷物を郵送したが、いっこうに届かないのだ。小型包装物は韓国まで航空便で約1週間と聞いた。問い合わせると「１週間」は「税関などで問題がなかった場合」とのこと。 ]]>
        <![CDATA[　ということは問題発生だ。「国際情勢で厳しくなったのかな」「韓国から日本へはすぐ着いたのに？」「税関の問題って何」......闇ルートの解明？　テロ阻止？一般人は知る由もない、何か。<br /><br />　もっと情報が必要だ。国際郵便の専門窓口に電話をし、詳細を伝えた。係の男性は「日本を出て韓国で止まっている可能性が高いですね」と言う。荷物の中身は、彼女の娘たちへの小物、お菓子、インスタント食品だが、問題なのはもしかして......「申告の紙に書いたSeasoning（調味料）がまずかったのでしょうか」「まずいといいますと？」「調味料が薬物と混同されたとか」「まさか。それより内容を全部書きましたか？　国内宛の荷物のように適当に書いてませんよね？」<br /><br />　あ。中身は10種類以上だが、書いたのはSeasoningとToy（おもちゃ）だけだ。「申告した内容と中身が違うと、到着が遅れかねません。それにインスタント食品に牛肉が入っていたら送れなかったり、食品は難しいんです」彼の説明は続く。「他にも国によって基準が違い、判断しにくいものもあります」「例えば？」「ホラーなどです」「ホラー物が禁止な国がある？」「はい。それでドクロの柄がダメだったことも」「ドクロがホラー......。可愛いドクロでも？」「可愛いドクロってよくわかりませんが、税関の人の主観も関係するようです」国による基準か。グローバル化で諸外国は感覚的に近くなったが、やはり別の国。私の荷物も税関で厳しいチェックにさらされているのだろうか。<br /><br />　さらに待っても着かないので、新たに送ることにした。今度の封入物はアイシャドーと口紅のサンプル、ハローキティ2匹。二度と失敗したくないので、窓口に聞く。「キティは何と申告すれば？」「Doll(人形)ですね」「猫でも？　本当ですか」「少々お待ちください。失礼しました。Soft Toy(ぬいぐるみ)です」了解。「アイシャドーはCosmetic(化粧品)でいいですよね」「いいえ。アイシャドーと明記してください。化粧品には禁止のスプレー缶もありますので、日本の税関すら通らない可能性も」難しいな。「価格欄ですが、サンプルは0円？」「いえ、N.C.Vと書いてください」「何です？その暗号」「ノーコマーシャルバリュー。商品価値がないという意味です」ほう。聞けば聞くほど学べる。さて、これで申告は大丈夫。一応投函前に住所など、モニカに確認しよう。<br /><br />　彼女から返信が来た。素早いなと思ったら、そこには驚くべき一言が。「住所ですが、マンションの部屋番号を書き忘れてました」それはつまり、例の荷物は......単なるあて先不明？！<br /><br />　5日後、2度目の荷物は無事彼女の元へ届き、その１週間後、開封の痕跡など全くない最初の荷物が我が家へ返送された。箱に張られた「宛名不十分。差出人もどし」のシールを見て思う。原因は概して単純である、と。<br /><br />　「色々ありがとう。また化粧品送るわ！」モニカが嬉しそうに話している。私からも送るよ、簡単だからね。]]>
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    <title>「参加する」を楽しむ。</title>
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    <published>2010-11-11T08:50:37Z</published>
    <updated>2010-11-11T08:59:50Z</updated>

    <summary>散々考えた挙句、思い切って参加した某海外アーティストのライブ。　迷ったのは&quot;オバ...</summary>
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        <![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="043.jpg" src="http://www.iga-younet.co.jp/100step/archive/043.jpg" width="230" height="156" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>散々考えた挙句、思い切って参加した某海外アーティストのライブ。<br />　迷ったのは"オバサンはご遠慮ください"的な雰囲気だったら困るのと、ライブが行ったこともないスタンディング（＝立ちっ放し）だったから。<br />　かねてからの腰痛に加え、近頃肩まで痛い。<br />　だがこの機会を逃すと次回はいつになることか。<br />　娘も行きたいようなので、2人で参加することにした。<br />　動きやすい服、履きなれたスニーカー、念のため腰には湿布。準備万端だ。 ]]>
        <![CDATA[<div>ライブ会場は、きらびやかな衣装をまとった人や奇抜なメイクをした人で一杯だった。<br />　年齢層は意外に幅広くて良かったが、皆一様に黒っぽい。<br />　娘は赤、私は青のTシャツで来たので、薄暗い会場でも何か目立つ。<br />　特に娘のは「私、赤すぎ......」と本人が気にするほどだ。</div><div><br /></div><div>突然「これ、どこで買ったの？！」と、後ろから声がした。<br />　見ると、歌手の写真入りTシャツを着た女性が、娘のシャツを引っ張っている。<br />「な、なんですか？」<br />　戸惑う娘。<br />　赤Tシャツは、たちまち周囲のファンたちの注目の的に。<br />　赤はまずいのか？<br />「なんだ、違うじゃない」別の人が言った。<br />　シャツを掴んだ女性も「あらホント。この背中の文字がオリジナルTシャツのロゴにそっくりなのよ。赤の特別バージョンかと思ったわ！」<br />　そういうことか。<br />　あたりの視線も緩む。<br />　娘は「何の関係もない普通のTシャツです」と胸を張る。<br />　ここから私たちもファンの輪に加わった。</div><div><br /></div><div>ライブはエネルギー源だという彼ら。<br />　海外のライブに出掛けた人、今日のためにヨーロッパから帰国した人。</div><div>「これがあるから仕事も頑張れる」人、「体調が悪くても治っちゃう」人。<br />　ある人が「昨日のライブも良かったわ」と話したので、私はすかさず終演までの時間を聞いた。<br />「1時間少しかな。あっと言う間よ」それなら腰も平気だろうと胸をなでおろすと、娘が「母は腰痛がひどいので心配です」とファンの面々に告げた。</div><div><br /></div><div>すると「まあ大変！でもスタンディングでギュウギュウだから、私にもたれていいわよ。支えてあげる」とヨーロッパのマダム。<br />　さらに隣から「ここでの運動がリハビリになるんじゃない？」<br />　左後ろからは「何ならライブ中、腰のツボを押してあげようか？」の声。<br />　皆さんご親切だ。<br />　......一体私はここに何をしに来たのか、とも思うが。</div><div><br /></div><div>ライブが始まった。<br />　エネルギッシュな歌声が会場を包み、熱狂の渦となる。<br />　これか、皆が待っていたのは。<br />　完全な非日常。<br />　つまりファンたちはここで日常をリセットするわけだ。<br />　待つことから始めて、参加する。<br />　余韻に浸って、また次回を待つ。<br />　多くのファンは楽しみつくす術を知っている。</div><div><br /></div><div>すっかり遅くなった帰り道。<br />　娘と2人「夜こんな風に一緒に歩くこと、滅多にないね」とご機嫌に道を行く。<br />　曲を口ずさみながら歩道橋の手前に差し掛かると、そこに見えたのは暗闇に佇む男の影。<br />　私は声を潜めた。<br />「怪しい人がいる。歩道橋は避けよう」<br />　娘は歩みを止めない。<br />「お母さん、あの人のジャンパーの背中の字、見える？」<br />　ジャンパーの文字って......<br />「兵庫県警」。<br />　失礼極まりない私は、彼とすれ違いざま、殊更丁寧に会釈する。<br />　安全な夜に感謝します。</div><div><br /></div><div>夜が更ける。<br />　特別な1日も終わる。<br />　さて、私もここでリセットするか。<br />　明日も頑張ろう。</div>]]>
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