YOUが送るオンライン読み物「シアワセを感じる100歩」

「改める」を楽しむ。

93.jpg
 インターネット日本語教室の、今回の生徒は台湾人とロシア人。
 テーマは「趣味を語る」だ。
 早速、生徒が話を始めた。
「スッポンはすきですか?」
 スッポン?
「日本では一般的じゃないなあ」
「スッポン、しないんですか?」
「しないというと......スポーツのことかな?」
「そうだった!」
 教室では想像力が試される。


 「スポーツは......」
 運動不足の私に何を語れと?
 そう思った時だ。
 部屋の中で妙な音がした。
 ゲッゲッゲってことは......
「蛙だっ!」
「カエルというスポーツですか?」
 生徒の質問は捨ておいて、恐る恐る所在を探る。
 声だけで姿はないが......
「蘭の鉢の中だわ! 聞こえなかった? 蛙よ蛙!」
 指導どころじゃない。
 ところが「蛙? 問題ないですね」と、台湾人が一蹴。
「蛙なんて食っとけばいいんです。脚がうまい」
 そしてスポーツの話に戻る彼ら。
「僕はジョギングをします。あなたは?」
 ロシア人も蛙をスルー。
「ええとウオーキングをね」
 実は寒くて中断している。
「最低気温0℃だから......」
「わ!温か~い! ロシアの春みたいだ。ここは氷点下30℃。氷点下10℃ならジョギングしますよ」
 教室では意識改革も迫られる。

 今、蛙の鉢は玄関だ。
 外出の度にドキドキしては、問題ない! とも思っている。
 ウオーキングも再開した。
 ロシアの春みたい! と張り切ってドアを開け、吹き込む風に対抗する。
 さむっ! ......くないですとも。

「改める」を楽しむ。のトップへ戻る
シアワセ感じる100歩のトップページに戻る

コメントする

執筆者・坪田多佳子プロフィール

1963年東京生まれ。ライター、小論文及び国語科専門プロ家庭教師。
「シアワセ感じる100歩。」は、2007年4月から2009年3月、朝日新聞の姉妹紙「RAKU(楽)」に掲載し、好評を得た。現在は「YOUよっかいち」の紙面と伊賀タウン情報YOUホームページで連載中。
日常生活で見つけた小さなシアワセをテーマに「~を楽しむ。」と題して1か月に1歩ずつ歩み続け、「100歩。」達成を目指す。
YOU紙面へはピンクリボンの記事も出稿。
趣味は読書、料理、英会話。インターネット上で、日本マニアの外国人に日本語を教えたりもしている。
家族は夫、息子、娘。松阪市在住。