YOUが送るオンライン読み物「シアワセを感じる100歩」

「滞在する」を楽しむ。

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 ネットで交流をしている日本語学習中のアメリカ人たちが、相次いで来日した。
 彼らから滞在を楽しむメッセージが送られてくるのだが、時折妙な質問も混じる。
「警察官を撮影したらダメ?」
 どうなんだろう。撮りたいと思ったことがない。
「カメラ向けたら警官が腕をクロスさせた」
 もう試したわけね。
「あれはNOの意味だよね?」
 そうか、腕で×印を作ってもアメリカでは通じないんだっけ。
「あのジェスチャーも撮りたかったなあ~!」

 彼らの興味関心は、予想がつかないものばかり。
 習慣の違いから戸惑うことさえ愉快なのだという。
 別の子からもメッセージがきた。
「スーパーの店員がバナナを売ってくれない!」
 バナナ販売規制なんてないはずだが。
「たった1本、買いたいだけなのに」
 1本って、もしや......
「バナナの房から1本もいで、レジに持ってったんだけど?」
 房単位の販売だと説明すると、彼はひとしきり笑い、再びバナナを買いに出かけた。

 こんな風に、彼らのメッセージのほとんどが、生活についてなのが興味深い。
「和食が何で細かいのか分かった!」
 今度は何だ?
「ナイフを使わないからだね!」
 国は観光立国を目指すというが、普段のままの日本を、満喫してもらうというのも良さそうだ。
「つまりさ、和食の美の鍵は、箸にあるってことじゃない?」
 滞在するだけで、この国は、十分面白いらしいから。

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執筆者・坪田多佳子プロフィール

1963年東京生まれ。ライター、小論文及び国語科専門プロ家庭教師。
「シアワセ感じる100歩。」は、2007年4月から2009年3月、朝日新聞の姉妹紙「RAKU(楽)」に掲載し、好評を得た。現在は「YOUよっかいち」の紙面と伊賀タウン情報YOUホームページで連載中。
日常生活で見つけた小さなシアワセをテーマに「~を楽しむ。」と題して1か月に1歩ずつ歩み続け、「100歩。」達成を目指す。
YOU紙面へはピンクリボンの記事も出稿。
趣味は読書、料理、英会話。インターネット上で、日本マニアの外国人に日本語を教えたりもしている。
家族は夫、息子、娘。松阪市在住。