YOUが送るオンライン読み物「シアワセを感じる100歩」

「緊張する」を楽しむ。

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 「新しい経験は脳にいいんだって」
「適度な緊張が脳を活性化させるのよ」
 友人とのおしゃべりで、「脳」は旬のトピックだ。
 アカデミックな感じもするが、要は、ひどい物忘れを何とかしなくちゃな、という話である。

 「適度な緊張」。
 この言葉のせいだ。
 金沢の兼六園へ行った時、ラジオ関係者から「観光客のコーナーに出てくれませんか?」と声をかけられ、ついOKしてしまったのは。
 普段なら断るが、こう思ったのだ。(ラジオだなんて緊張する。......緊張? おお! 脳が甦るかも!)

 放送が始まった。
 スタジオからの質問に答えるだけだが、マイクを向けられると難しい。
 緊張のあまり口ごもり、冷や汗まみれの時間が過ぎた。
「さて、そろそろリクエストを頂きましょう」私が曲名を告げたら終了だ。
「はい。小野リサの......」あれ。曲名、何だっけ。
「小野リサの~」もう一回言って時間を稼ぎ、猛然とスマホ検索。
 これだっ!
「ソダンソサンバ!」
 ふう。
「それでは小野リサで、ソダンソサンバ!」

 ラジオ出演の顛末を友人たちに語ったら「生放送中に曲名を忘れた? とんでもないわね」「脳のためとはいえ荒療治すぎよ!しかも公共の電波よ?」と容赦ない。
 いやはや面目ない。
 ああだけど......初めてのラジオは楽しかったなあ!
 この爽快感、多分脳にはとてもいい。

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執筆者・坪田多佳子プロフィール

1963年東京生まれ。ライター、小論文及び国語科専門プロ家庭教師。
「シアワセ感じる100歩。」は、2007年4月から2009年3月、朝日新聞の姉妹紙「RAKU(楽)」に掲載し、好評を得た。現在は「YOUよっかいち」の紙面と伊賀タウン情報YOUホームページで連載中。
日常生活で見つけた小さなシアワセをテーマに「~を楽しむ。」と題して1か月に1歩ずつ歩み続け、「100歩。」達成を目指す。
YOU紙面へはピンクリボンの記事も出稿。
趣味は読書、料理、英会話。インターネット上で、日本マニアの外国人に日本語を教えたりもしている。
家族は夫、息子、娘。松阪市在住。