YOUが送るオンライン読み物「シアワセを感じる100歩」

「表現する」を楽しむ。

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 東京の雑貨屋で、若い女性店員と世間話をした。
 私の大荷物を見た店員に、どこから来たのかと聞かれたので「三重県ですよ」と答えたら、「そうだったんですね~!」と返された。
 三重県はびっくりするような県なのか。
 あるいは遠距離恋愛中の相手が三重県民で心が弾んだとか?
 だが話は一向に膨らまず、別の話題へ。
 そこでようやく「そうだったんですね」が、ただの相槌だと分かった。

 近頃は、長ったらしい表現がはやりなんだろうか。
 注意して聞くと他にもあった。
「なるほどですね~」や「~からでよろしかったでしょうか」などなど。
 なんだかムズムズする。
 言葉は長くしたからといって丁寧になるものでもない。
 私は断固、簡潔な日本語表現を目指す!
 ......と、思っていたのに、日本語学習中のアメリカ人から「君の日本語は回りくどい!」と文句を言われた。
 とんだ言い掛かりである。
 私は「hungry(ハングリー)は日本語で『お腹がすいた』だ」と言っただけなのに。
「腹が空っぽだ? 腹の具合を説明するのはやめてくれ! 一語でいい。hungryみたいな単語は何?」
 えっ? それは......ないなあ。
「ない? そんな基本的な単語がないってどういうことだ!」
 日本語って......元々まどろっこしいんだろうか。
「ぼんやりしてると餓死するぞ!」
 ううむ。困った。

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執筆者・坪田多佳子プロフィール

1963年東京生まれ。ライター、小論文及び国語科専門プロ家庭教師。
「シアワセ感じる100歩。」は、2007年4月から2009年3月、朝日新聞の姉妹紙「RAKU(楽)」に掲載し、好評を得た。現在は「YOUよっかいち」の紙面と伊賀タウン情報YOUホームページで連載中。
日常生活で見つけた小さなシアワセをテーマに「~を楽しむ。」と題して1か月に1歩ずつ歩み続け、「100歩。」達成を目指す。
YOU紙面へはピンクリボンの記事も出稿。
趣味は読書、料理、英会話。インターネット上で、日本マニアの外国人に日本語を教えたりもしている。
家族は夫、息子、娘。松阪市在住。