YOUが送るオンライン読み物「シアワセを感じる100歩」

「続ける」を楽しむ。

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 ネットでアメリカ人たちに日本語を教えていたら、平仮名マニアのBさん「テンダーラビングケア!」と、呪文めいた言葉を発した。
 何それ。
 今、「を」の筆順の話をしてなかった?
「だから~。テンダーのT、ラビングのL、ケアのCの頭文字を取ってTLC。
 優しく愛情のこもった世話という意味の英語だけど、組み合わせたら『を』になるの!」
よく分からない。
「Tだけ小文字にしてみて。
 tを右にちょっと倒してLをその下につけてCを絡ませて。
 ほら『を』になった!」
こんな調子でBさんは、平仮名ばかり2年も書き続けている。

 D君に至っては「平仮名はスパゲティに見える。覚えたくない」と、ローマ字で好きな日本語の言葉を書いて覚えるだけ。
 彼らの日本語の上達が遅いので、私はつい「計画的に勉強したら?」と意見した。
 すかさず「計画?要らないな~」とD君。
「仕事じゃないし完璧も目指してない。
 目標もないけど、この方法が気に入ってるから続くんだ」

 ハッとした。
 目標に縛られないから挫折もないんだ。
 好きなことなら継続できる、か。
「継続のコツ?まだあるよ。『ハードルは高いほうがいい』って言葉。
 日本人から教わったんだ」。
さっきの話と逆じゃない?
「続きがある。『ハードルは高いほどくぐりやすい』ってね!」
名言に、思わず唸(うな)る。

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執筆者・坪田多佳子プロフィール

1963年東京生まれ。ライター、小論文及び国語科専門プロ家庭教師。
「シアワセ感じる100歩。」は、2007年4月から2009年3月、朝日新聞の姉妹紙「RAKU(楽)」に掲載し、好評を得た。現在は「YOUよっかいち」の紙面と伊賀タウン情報YOUホームページで連載中。
日常生活で見つけた小さなシアワセをテーマに「~を楽しむ。」と題して1か月に1歩ずつ歩み続け、「100歩。」達成を目指す。
YOU紙面へはピンクリボンの記事も出稿。
趣味は読書、料理、英会話。インターネット上で、日本マニアの外国人に日本語を教えたりもしている。
家族は夫、息子、娘。松阪市在住。