YOUが送るオンライン読み物「シアワセを感じる100歩」

「撮る」を楽しむ。

67.jpg  「バスの注意書きを撮ったの?」
 ローレルが私の写真を見て、首を傾げた。
 彼女は、私がこの秋アメリカに滞在した際、お世話になった女性だ。
「異文化を撮りたくてね」と私。
 注意書きの「服を着て、靴を履きましょう」という箇所を彼女に見せた。
 ヘンなの!と思って撮ったが、これはアメリカでよくある警告らしい。
 よくある=守らない人多い。
 さすが自由の国。

ローレルと森を散歩した時にも、面白いものを見つけた。
「看板を撮るの?珍しい?」珍しいも何も。
「熊やクーガーに遭遇した時の対処法」なんて日本で見られるものじゃない。
 内容は「出来る限り自分を大きく見せ、断固とした口調で話し、後ずさり、襲ってきたら逆襲しましょう」動物相手に何を話し、どう逆襲?
 不可解な感じが気に入って撮った。

 帰国後、ローレルからメールが来た。
 社内報に「今月の顔」として彼女が載ったという。
 しかしその社内報を見て驚いた。
 私が撮ったスーパーの野菜売り場の写真が掲載されている!
 しかも記事には私についての一文が。
「日本から来た彼女は、アメリカのスーパーに並々ならぬ興味を抱いた人でした」......ってどんな紹介のされ方だ! 
 まあでも、私の異文化写真はアメリカデビューを果たしたわけだ。
 所構わず撮りまくる日本人という異文化を、匂わせながら、だが。

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執筆者・坪田多佳子プロフィール

1963年東京生まれ。ライター、小論文及び国語科専門プロ家庭教師。
「シアワセ感じる100歩。」は、2007年4月から2009年3月、朝日新聞の姉妹紙「RAKU(楽)」に掲載し、好評を得た。現在は「YOUよっかいち」の紙面と伊賀タウン情報YOUホームページで連載中。
日常生活で見つけた小さなシアワセをテーマに「~を楽しむ。」と題して1か月に1歩ずつ歩み続け、「100歩。」達成を目指す。
YOU紙面へはピンクリボンの記事も出稿。
趣味は読書、料理、英会話。インターネット上で、日本マニアの外国人に日本語を教えたりもしている。
家族は夫、息子、娘。松阪市在住。