YOUが送るオンライン読み物「シアワセを感じる100歩」

「思い込む」を楽しむ。

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恋の話を2つ聞いた。
 1つは中国人学生から。
「観光ガイドをした時出会った日本の女の子が忘れられない」と彼。
「僕と話してて彼女はずっと笑顔だった。楽しかったんだよね? 僕と居て」。


いや楽しかったのは中国観光、と言いかけて止める。
 恋とは幸せな思い込み。他人には窺い知れないこともある。
「で、手紙を書いたんだ。とっておきの一文はね、君への想いは両親への愛ほど深く」
 ......重い。
 文化的相違?
「それ日本人の女の子には不向きね」と言うと「何で分かる?!」
 恋する男は思い込んだらムキになる。
「何でって......私も昔は若い日本人女子学生だったからよ」。
 一瞬の沈黙の後「そっか!」と明るく納得された。

もう1つはイギリス人学生から。
「好きな子に日本語メールOK! と言っちゃったけど、貰ったメールが読めない」と泣きつかれ、代読。
 しかし中身は彼女が想う別の男性の話。
 メールの最後には「信頼しているから、あなたの意見を聞かせて」とも。
 落ち込む彼に「文面通りならその男性は彼女に興味がないよ。でも君は彼女の信頼を......」と言った途端、「そうだよね! 僕たち絶対うまく行く!」と叫ばれた。

相手も自分も理由なく、「特別」と思い込めるのが恋である。
 春爛漫。
 恋せよ若者。

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執筆者・坪田多佳子プロフィール

1963年東京生まれ。ライター、小論文及び国語科専門プロ家庭教師。
「シアワセ感じる100歩。」は、2007年4月から2009年3月、朝日新聞の姉妹紙「RAKU(楽)」に掲載し、好評を得た。現在は「YOUよっかいち」の紙面と伊賀タウン情報YOUホームページで連載中。
日常生活で見つけた小さなシアワセをテーマに「~を楽しむ。」と題して1か月に1歩ずつ歩み続け、「100歩。」達成を目指す。
YOU紙面へはピンクリボンの記事も出稿。
趣味は読書、料理、英会話。インターネット上で、日本マニアの外国人に日本語を教えたりもしている。
家族は夫、息子、娘。松阪市在住。