YOUが送るオンライン読み物「シアワセを感じる100歩」

「見極める」を楽しむ。

058.jpgスーパーで、アボカドを1つ買おうと手に取った。
 ところが横から「絶対腐ってますよ」との声。
 見ると、若いパパ風の男性が私の手の中のアボカドを凝視している。

いきなりの警告に面食らいつつ「そうですか?」と、私はおとなしくアボカドを山に戻した。
 実際、固すぎたり真っ黒だったりと何度となくアボカド選びをしくじってきたので、見極め方には自信がない。

「これだな」。
 私のために彼が選んだアボカドは、切ってみると完璧だった。

しかし、どうやって彼はアボカドの良し悪しを見分けたのだろう。
 調べると、ヘタ周辺を見る、とある。
 どんな野菜も特性を知って、茎や葉などから見極めるのがコツらしい。

特性か。
 よし分かった。
 自信をつけて地元農家の野菜コーナーに向かう。
 欲しいのは水菜だが、同じ値段なのに分量の違う束を発見。
 倍ほどある方はセール品?古い?葉モノの特性からいうと......熟考していると、「どうかしましたか?」と店番の青年に不審がられた。

「いえ、この水菜の違いがわからなくて......」
 すると彼は「ああ、それ?」と微笑んで、事もなげに言い放った。

「おばちゃんの袋詰めがいい加減なだけですよ」。

 ......見極めるべき特性は、野菜だけではないようだ。

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執筆者・坪田多佳子プロフィール

1963年東京生まれ。ライター、小論文及び国語科専門プロ家庭教師。
「シアワセ感じる100歩。」は、2007年4月から2009年3月、朝日新聞の姉妹紙「RAKU(楽)」に掲載し、好評を得た。現在は「YOUよっかいち」の紙面と伊賀タウン情報YOUホームページで連載中。
日常生活で見つけた小さなシアワセをテーマに「~を楽しむ。」と題して1か月に1歩ずつ歩み続け、「100歩。」達成を目指す。
YOU紙面へはピンクリボンの記事も出稿。
趣味は読書、料理、英会話。インターネット上で、日本マニアの外国人に日本語を教えたりもしている。
家族は夫、息子、娘。松阪市在住。